Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

タイムスリップしたような温泉体験

帰省した時に実家近くの温泉に行ってみた.旅館併設のキレイなところではなく,いちばん鄙びた地元民向けの「共同湯」を目指す.写真のとおり,ここは昭和の香りがそのまま今でも残っている. 共同湯の内部は木造だ.こういう本気の昭和感は都会ではもうなか…

残暑お見舞い申し上げます

あちこち行っている間にいつの間にか秋の気配がするようになってきました. 今週から休暇を終え頑張って仕事していますが,ちょっとブログには手が回らない日々です. 写真は鹿児島で撮った甥っ子.こんな海は夏の終わりっぽい.

高校生向け1DAY デザインワークショップを実施

8/6(日)に,高校生を対象にした1DAY デザインワークショップを実施した.実施に至った経緯として,今の日本には高校生が情報デザイン周辺のことを学びたいと志望する以前に,そのようなことに思い至るきっかけすら少ないという事情がある.そこでわれわれ…

デザインと土着性

2年前にロンドンでRCAの修了展を見に行った時、国境を越えた学生チームでデザインにとりくむことの難しさを知った。プロのように経験値でカバーできない学生の場合は、同じインターナショナルなチームだとしても、みんながアウェーの状態でやるか、どこかに…

35年ぶりのラジオ体操

こどもたちが夏休みに入り、近所のラジオ体操に行き始めたとのことで、僕もちょっと早起きしていっしょに参加してみた。いつでもどこでも体操の音楽はかけられるようになった現在でも、地域の人達がNHKラジオの時間に合わせてあつまって一斉に体操するという…

講演記録:社会のものさしがかわるとき

7月16日(日)、横浜市栄区の市民団体である「さかえdeつながるアート」のお招きで講演してきた。これは横浜市の地域文化サポート事業のヨコハマアートサイト(というものがあるそうです、横浜市羨ましい)の支援を受けた市民向け活動の一環で、昨年度に引…

コンピュータルームの矛盾

1年生向けの情報表現演習は例年端末室(コンピュータルーム)で行っているが、一方でうちの学部の学生は全員MacBookAirを配布されているので、そっちで宿題することになるし、使い勝手がよいのでみんな狭いスペースに無理してMacを並べる、という本末転倒な…

日本デザイン学会でグッドプレゼンテーション賞

7/1,2に拓殖大学で行われた第64回春期研究発表大会で「デザイン実験の場を構想するためのダイアログゲームの試作」というテーマでパネル発表してきた。 発表内容は、欧州や北米で盛んなリビングラボの視点を取り入れて、専門家と参加者がゲーム的に楽しく対…

参加型デザインの明日 in GKデザイングループ

7月7日、GKデザイングループにて開催された「参加型デザインの明日」というイベントで鼎談してきた。 GKデザインといえば戦後日本のプロダクトデザインを牽引してきたデザイナー集団であり、今も日本を代表するデザインコンサルティング企業である。そんな正…

見つからなかったライター

ここ1ヶ月ほど,とある人から頂いたライターを自宅のあちこちで探していた.決して高価なモノではなく,ある芝居を開催したノベルティとしてつくられた小さな黒いライターだ.そのライターの表面には,その芝居のタイトルでもあった「誰かこの女知りません…

探しあぐねている言葉

先日クリーニングデイに参加して「アップサイクル」という言葉を遅まきながら知ったわけだが,これは再び素材にする通常のリサイクルにも大きく二つの方向性があるという考え方のようだ. 1)ダウンサイクル=価値を下げて再び使う(例:タオルから雑巾) …

クリーニングデイ@横浜に参加

もう1ヵ月前のことになるが,5/27にフィンランド発のアップサイクル・カルチャー・イベント「クリーニングデイ」に参加してきた.「アップサイクル」とは、モノを再利用するリユースやリサイクルだけでなく、モノに新しい価値や有用性を見出す,ということら…

民主主義とデザインのためのプラットフォームが誕生

5月末に,世界中で行われている民主主義とデザインのための活動を一元化するプラットフォーム「Stand Up for democracy」がオープンした. 発起人はEzio Manzini(ミラノ工科大名誉教授)と,Victor Margolin(シカゴ大イリノイ校のデザイン史の教授)の二人…

笑いを教えるということ:お笑いコンビ・モクレンの講演より

6/13(火)のこと,若手お笑い芸人のモクレンのお二人をお招きして,1年生250人に対しての講演と,その後に学生と教員有志に対しての即興コメディのワークショップを実施した.モクレンのお二人とは先日グラグリッド社で行われたフォーラムシアターでの実験…

2020年以降,高校で情報デザインが必修へ

先日聞いて衝撃を受けた話. 2020年に改訂される予定の次期学習指導要領では,小学生からプログラミング的思考の学習が始まるということは割と知られているが.高校生への「情報」科目も大幅刷新される見通しだそう.2016年末に中央教育審議会が提出した「幼…

「公共のデザイン」についての重要な論文が公開

5月9日, クリスチャン・ベーソン(デンマークデザインセンターCEO)がコペンハーゲンビジネススクールに博士論文を提出して博士号を授与されたとのこと, Ready to go! pic.twitter.com/3OrB7OmSiO — Christian Bason (@christianbason) 2017年5月9日 クリス…

同じ方程式から生まれる,無限の解

#基礎演習Dのみなさん、ぐぐってみつけたものを真似しちゃダメだよ。 先日,高校の先生とディスカッションした際に,初心者が何を学ぶべきかについてふりかえる機会があったので.僕が演習に取り入れている課題のことを書いてみようと思う.インタラクショ…

学びの場を観察する

5月某日.研究室の学生達と,フィールドワークとして神奈川県立の某高校を訪問.高校1年生の情報の授業を見学し,担当のY先生とディスカッションした.高校の情報の授業と言えばOffice系のアプリケーションの操作程度という印象を持つ方も多いかも知れないが…

UIを模写してみてわかること

先日のこと,カードソーティングゲームを元にUIをつくる演習の回で,「模写」を取り入れてみた.経緯として,昨年度の同じ課題の際に,ペーパープロトのスケッチを描くあたりで手が止まってしまう学生が多くて,毎日いろんなアプリを使っているのにUIは本当…

「コロンブスの卵」的なテーマパーク

先日,妻が招待券をゲットしたので豊洲のキッザニアに行ってきた.平日の夕方ということもあって割と空いている.ここは子持ちでない限り来ないところなので,僕はオープンから10年経って初めて来る機会が出来たのだが,以前噂に聞いた通りに「よく出来てい…

面白がる姿勢に,人は動かされるのだ

慶応SFC石川初研究会の2016年度の活動記録,landwalk book2を頂いた.石川初さんといえば本業のランドスケープデザイナーとして活躍される一方で,その独特の視点で見過ごされがちな都市の楽しみ方を我々に教えてくれている偉大な人である.僕は2004年に開か…

視点万華鏡:対話における質問を考える機会

4月上旬,2年生のガイダンス後に,初回までの事前課題としてちょっとしたアイデアを試してみた.自分たちの対話の場で使う質問を考えてもらうというもの.Question Cardsってのは海外では割と普及していていろんなキットになっているが,日本ではあまり見な…

カードソーティングゲームを再公開しました

2013年に研究室でカードソーティングゲームをつくりました.以前のブログがマルウェアに感染して閉鎖したのでしばらく公開も止めていたのですが,再びここで公開しておきます. このキットは、犬カフェのサービスを企画するという題材の中で,素材として50枚…

雑草による花壇を見て考えた

子供といっしょに歩いて居る時、ナガミヒナゲシがあちこちに繁殖しまくっていることに二人で気がついて、"悪い植物"の話になった。 「このお花はなぜ悪いの?」という小1の素朴な質問に、善い奴・悪い奴を人間の都合で勝手に決めるのはなんだか思考停止な気…

他者によって自分を知る機会

先日、3年生のPBL科目の時に、同僚の望月先生が編み出した「鏡映的自己像ワークショップ」ってものをやってみた。チームが出来てしばらくしてそれぞれの様子が見えてきた今頃に、まず、それぞれ問いの視点を決めた上で(例えばA君はどのような個性として見え…

"メキシコの漁師"の家族は、あの日泳いでいた魚の味を知らない

のっけからしょうもないタイトルで申し訳ないが、"メキシコの漁師"のコピペをご存じだろうか。「人生の目的ってなんだっけ」ってことを語るときによく引き合いに出されるアレである。 メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。 メキシコ人の漁…

講演録が掲載

昨秋に上平が登壇した情報通信学会関西大会 「メディアのエコロジーとデザイン思考―参加型デザインから望ましい情報社会を構想する」の講演録が情報通信学会誌 Vol34 No.3-4に掲載されました。 kmhr.hatenablog.com

人間を探している

Diogenes: Jean-Léon Gérôme (1860) 古代ギリシア時代の哲学者ディオゲネスのことをふと思い出した。彼の奇妙な言動は不思議と僕を惹きつける。ディオゲネスは人々に「犬」と呼ばれた。実際に野良犬のような生活をおくり、大きな酒樽の中に住んでいたといわ…

手探りの中で交錯しあう経験

先日、グラグリッド社で即興劇のワークショップ実験が行われた。 経緯はこちら。Lab|glagrid :サービスデザインのプロトタイプツールとしての即興劇「フォーラムシアター」 尾形さんの記事にあるようにサービスデザインの方法として「即興コメディ」×「フォ…

省察的実践者の教育

多くの人が知る"リフレクション"という言葉の理論的背景となった,ドナルド・ショーンによる記念碑的名著,The Reflective Practitioner. 邦訳としては「専門家の知恵-反省的実践家は行為しながら考える」(2001)が知られているが,この本は部分訳だったの…