Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

探しあぐねている言葉

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先日クリーニングデイに参加して「アップサイクル」という言葉を遅まきながら知ったわけだが,これは再び素材にする通常のリサイクルにも大きく二つの方向性があるという考え方のようだ.

1)ダウンサイクル=価値を下げて再び使う(例:タオルから雑巾)

2)アップサイクル=元の製品よりも価値の高いものに変化させること(例:廃材から一点物のプロダクト)

「アップサイクル」とは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつである。従来から行なわれてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とする。換言すると、リサイクルによる製品のアップグレード、としてよいだろう。アップサイクルの領域では、一般ユーザーにも目に見えるかたちでの「デザイン」(色や形)が重要な役割を果たし、とりわけファッションと生活雑貨の領域では、大きな成功を収める事例が増えてきた。その嚆矢のひとつであるスイスのブランド「フライターグ」は、トラックの幌布、自動車のシートベルト、自転車のチューブなどを用いた、実用的でデザイン性が高いバッグで、世界的に知られている。

アップサイクル | 現代美術用語辞典ver.2.0

 

 ふむ.フライターグが代表例なのか.ちなみに僕の愛用バッグがフライターグで,全て一点物ということになるので、どのような図柄をチョイスするかの体験は確かになかなか得難いモノであった.

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フライターグはスイスの会社らしく、マニュアルのグラフィックデザインも凝っていて,ユニークな図で描かれている.このアングル!

 

「一見不要に見えるものに新しい価値を見出す」というのは僕の研究室で取り組んでいるテーマでもある.アップサイクルという言葉は割と近いのだが・・・でもなんだかフィットしない感覚も一部にあってなかなか悩ましい.バズワードっぽい言葉に乗るよりも,古くから我々の文化にある「一石二鳥」や「わらしべ長者」の方が意味が近い気もするし,よい言葉を探し当てることは難しく,ずっと探しあぐねている.