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みえないものを、みる視点。

日本デザイン学会でグッドプレゼンテーション賞

7/1,2に拓殖大学で行われた第64回春期研究発表大会で「デザイン実験の場を構想するためのダイアログゲームの試作」というテーマでパネル発表してきた。

発表内容は、欧州や北米で盛んなリビングラボの視点を取り入れて、専門家と参加者がゲーム的に楽しく対話しながら協働のデザインの場作りに必要なことを学習・発想していくことを目的としたツールをつくったよ、というものである。ツール自体は2年前にデンマークにいた時につくったもの。それを昨年度学生に手伝ってもらってキット化して、産技大とACTANTでのワークショップでテストしたことをまとめた。ツールの実物を展示する発表はあまりないので、みなさん割と面白がってくださった。

 

参考:3月にACTANTで開催したワークショップに参加したちゃちゃきさんのブログ

blog.chachaki.net

 発表時には、ブースに来てくれた知り合いの研究者とあれこれ話し込んでいるうちに発表時間終わってしまって、真剣にパネルを読んでくれている方にあまりプレゼンしてなかったのは申し訳なかったが、なんと後日グッドプレゼンテーション賞を頂いた。パネル発表94件の中の8件ということで、審査された方が評価して下さったようだ。ありがとうございます。

jssd.jp

 

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ところで、実はこの研究には発表資料には一行も書いてない裏のねらいが存在する。いわゆる通常のビジュアルコミュニケーションのデザインワークは、クライアントから発注がきてデザインをすることが多いわけだけど、それ以外のかたちでデザインのスキルを活かすことはできないのだろうか、という個人的な挑戦である。

 

僕は普段大学教員として働いていて、目の前にはたくさんの学習者や社会問題の当事者達がいる。それは一般的なビジネスの場とはけっこう違った立場にいるということである。今は仕事を発注頂いたとしても時間とれないので受けることも難しくなってしまったが(注)、それでも僕はデザインをすることが好きだし、何かを創っていたい。逆に、その中立的な立場を活かすことで何ができるだろうか。そこで、デザインのスキルを通常依頼されるような「見るだけ」のグラフィックに変換するのではなく、共にデザインする場で一緒に考え、デザインをより楽しくするための道具を創ることや、今無いものを生み出すことに活かせることを実証してみようと思う。

 

注)大学教員としては仕事受けるのは難しいですが、パートナーのACTANTと共に取り組むプロジェクトとしてできることは色々ありますのでご相談ください。

 

 

当日の写真を取り忘れたので、パネルの画像を掲載。

 

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