担当している2年生のデザイン演習「FILED MUSEUM」の成果発表会の準備を進めている。本年度のテーマは「カガクおもちゃ」。サイエンスの5つの領域(電磁気・光と音・動植物・力と運動・環境)について、遊ぶ楽しさから学びのきっかけをつくるおもちゃをチームで開発する、というものである。
演習前半で、集中的にインプットしている段階のことを10月頃に下記の記事に書いた。
このFIELD MUSEUMは、地元の小学校およびサイエンスミュージアムとコラボしている地域協働のプロジェクトで、コミュニティを接続しながらデザインを進めていくことが特徴である。子供達と大学生の両者の関係がもっともよく表されているのが、この下の写真。
小学生側は大学生のお兄さんお姉さんが教室にやってくることが嬉しくてたまらない。いつかこんな颯爽とした人になりたいという憧れをもつ。一方で大学生側は子供達に認めてもらえることを通して、この子達の力になりたいという気持ちが生みだされる。オーセンティック(本物)な状況だからこそ、他者との関わり合いに関する強い感情(※社会関係アージ)が発動されることになる。それがデザインに向かう「動機」を形成する。動機は最初からあるものでもなく、それを生み出す場をどうつくるかは、極めて重要である。
その後、フィールドワークを含めて10種類のインプット活動を元に考察し、企画立案に進む。
11月中旬の某日。中間プレゼンテーション。小学校の先生(提携している2年生の担任の方々)をお招きしてアドバイスをもらう。
11月下旬の某日。学童を訪問してプロトタイプを用いて一緒に遊ぶ。予想出来ない子供達の遊び方からいろんな対策の必要に気付く。
12月某日。リベンジとして再度学童を訪問する。うまく遊べないプロトタイプは、こどもたちからアドバイスをもらうw
放課後の特権として、たっぷりの時間の中で真剣に遊んでくれるから、飽きないで繰り返すか、なぜ燃えるのか、そこにどんな要素があるのかをじっくりと観察することも出来る。
そうして迎えた12/18(月)。小学校でのCoDesignワークショップ。大学生と子供達がいっしょにデザインを考える機会である。これは静電気の反発力を用いて滞空時間を競う遊び。みんな上手に浮かしていてビックリした。
声で小さな粒を振動させ、グラドニ図形を作り出すおもちゃ。声の高低でさまざまなパターンが生成される。子供達うまく作れるのかなぁ、と大学生は心配していたが、いざやってみると、子供達の方が声は高いし肺の力も元気で、大学生より断然上手にパターンを作り出したというオチ。
1〜4限をまるまる頂いたお陰でとても盛りあがった。記念写真をパチリ。子供達にもとても大きな経験になったようで、後日こどもたちが書いてくれた絵付きの感想文に、大学生達は思わず涙ぐんでいた。
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8つの「カガクおもちゃ」はこんな経緯で作られました。
この成果物の発表会を予定しています。お子様をお持ちのご家族だけでなく、どなたでも見学、体験できますので、是非お越し下さい。
FIELD MUSEUM:親子で楽しむカガクおもちゃのデザイン展
2017年度応用演習(コンテンツデザイン)成果発表会
今年度は、遊ぶ楽しさからサイエンスの学びのきっかけをつくることを目的に、異なる5つの領域(電磁気・光と音・動植物・力と運動・環境)から「カガクおもちゃ」の開発を行いました。まだまだ稚拙なところもありますが、親子で楽しみながら体験的に学んでもらうことを目指して、学生たちが約5ヶ月間に渡って試行錯誤して辿り着いた成果です。
◉日時=2018年1月21日(日)10:30~15:00
◉場所=かわさき宙と緑の科学館 2F学習室
◉主催=専修大学ネットワーク情報学部コンテンツデザインラボ
◉共催=川崎市教育委員会
◉協力=かわさき宙と緑の科学館 川崎市立N小学校 川崎市社会福祉事業団 川崎市多摩区
#2 「へんしん!あじさいちゃん」ふしぎ!色が変わるアジサイおりがみ
#3「いきもの双六」みみずからタカを目指せ!
#4 「LIGHT ADVENTURE」 くらやみから脱出しよう!
#5「プロペラクラフト」"くるぺら"をつくってとばそう!
#6「マグネスト」じしゃくマスターへのみち
#7「せいでんきっず」きみも静電気をつかってまほうつかいになろう
#8「サウンドマジック」声でつくる星空のもよう