Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

未収録テキストの供養

本年度のフィールドミュージアム展の成果冊子を作っている。

 その中のコンテンツのひとつ、「学生たちの活動記録」には履修していた学生たちの毎週のつぶやきや演習後のふりかえりを抜粋して掲載していた。

 

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こんなかんじ。A5横。

が、数ページしか掲載スペース無いので、演習アシスタントにピックアップしてもらったものの大部分は掲載しきれないことになる。

 

ご存知のように今年はコロナ禍でこの学生たちも週に1日だけしか登校できず、かなり学習機会を制限されることになった。そんな困難な中でも、学生たちはやはりどんどん吸収していくのだな・・。と。自分は慣れてしまったけど、つくったものが実際に使われる瞬間は、想像以上に貴重な機会なのだ。

 

その掲載されないものをみていたらなんだか胸が熱くなってきたので、供養のためにここに載せておこう。ざっと眺めてもらえるだけでも、経験を通して学んでいる感覚が伝わってくる。

 


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演習期間中のつぶやき

 

想像上の子供達に対するアプローチを僕たちで何時間も話し合うところが、彼らにかかれば1秒もかからずに答えまでたどり着くのだ。

 

彼らは僕たちのプロダクトに想像以上に真剣に向き合ってくれた。あーだこーだ言いながらも、集中して話を聞き、僕らが残した思考の余白の中で目一杯考え、文字通り試行錯誤し、その結果に一喜一憂してくれた。本気(マジ)で遊んでくれたのだ。そこには遊ぶ楽しさと学びが確かに共存していた。

 

小学生たちは失敗を重ねるごとに、自分で問題点を見つけて、考えて改善しようと努力してくれている!『すごい、自分でトライ&エラーしてくれている!!』と感動した。 
自分で手を動かして「発見する」ということは学びとしてとても大切なのだなと思った。
自分たちでは考えつかなかった発想を子どもたちから与えてもらい、とてもいい回になったと思う。
自分たち大人が楽しめるものと子供が楽しんでもらえることは違うことを理解しながら、取り組むことを大切にしていきたいと思いました。
正解がわかっていないことの方が面白い!これから社会に出た時に、必ずしも正解があるわけではない。だからこそやってみて、自分を信じる!そして、楽しむ!
子供の自由な発想には脱帽です。その時の頭の柔らかさに戻りたいです。
女の子の方から「本の形にして持って帰りたい」とのお言葉が。その案をそのまま採用することにしました。まさか子どもからアイデアをもらうことになるとは思ってもいなかったので、試遊の機会さまさまでした。
ものがこの世に産み出される際、必ず行われるその工程の中にあるものを、今の僕たちは人よりもよく知っている。もちろんその中にある楽しさも。
気温が低い中たくさんの親子がブースを訪れてくれ、私たちが完成させたものを手に取って遊んでくれている姿を見てとても嬉しくなりました。今までかけてきた時間は無駄では無かったとも感じました。
あまりピンと来ていなかったアイデアでも、他の人の考えが加わるとそれが画期的なアイディアになっていったことに感動を覚えた。そうやって、何時間も考えて出たアイデアだけでなく、ポロッとでた言葉を聞き逃さずに大切にしていきたいと思った。
子供たちはカガクおもちゃでとても楽しそうに遊んでくれました!それだけでなく、遊んだ後には自分から原理や仕組みを考えていました・・・小学1年生を舐めてました・・・恐るべし・・・。

「まだカタカナ習ってない」「これで何するの?」感じたことをそのまま発言してくれる子供達から、今まで気づくことができていなかった点について気づくことができた。
今日体験していただいた子供たちにめちゃくちゃ喜んでもらえることがあった。本当に嬉しかった。まっさらな企画がここまで来たんだ、と自信つけられた。
子供は1度やったことをすぐやれるようになるのですごいと思いました。わんぱくな子、静かな子とさまざまなのでその子に応じた対応の仕方をやるのが大切だと感じました!難しいと思っていた部分も自力でできていた部分もあるのでよかったです。
危ないからと何でもやめさせるのではなく、しっかり安全を確認しながら見守ってあげることが大切であると感じました。
親子で楽しめるということから親でないと出来ないこと、子でないと出来ないことをあえて協力型ゲームにすることで魅力的になるのではないか。
互いが真剣にやっているからこそ起きるケンカはとても意味あるものだと思いますし、いい経験になったと思います。
他の班のおもちゃも自分たちじゃ思いもつかないような楽しいおもちゃばかりで、とても楽しく体験できた。私たちだけが楽しいじゃなく、親子が楽しいと思えるカガクおもちゃにしなくてはいけないので、根本的なところを忘れないようにしていきたいと思った。

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ふりかえり

小さい子供は言う事聞かない想定だったんですけど、意外と言うこと聞いてくれたりして、やっぱりちゃんと話すと伝わるんだなというふうに思いました。
子どもよりも親御さんの方が興味を持ってくれたり、理科が好きな子がとても楽しそうに話を聞いてくれたり、自分たちが想像していたより遥かに沢山のものをこの発表で得られたと思う。
キラキラしたものは子ども達に興味を持ってもらうのに非常に効果的であった!正直、想定外であった。
どっちも本気でやってるから、ぶつかったりすることもあったんだけど、でもお互いに妥協しない心があって凄いよかったし、それがあったから本心で話せるようになったのかなと思います。
親子で協力して色を塗ってくださったり、親子でおぉ〜と驚いてくださったり、子供だけでなく親御さんも喜ばせるというちょっとした目標を達成できたと思います。
週一しか登校出来ないと言う状況の中で、それでも会った時にしか出来ないことは何なのかと言うことを自分たちで考えて、最終的に何とか完成させられたのは、良かったのかなと思っています。
先生のお子さんが来てくれた時に、自分たちが当たり前に出来る事でも子供は当たり前にそれが出来ないと言うのを常に考えていないといけないことが分かった。ユーザーの立場に立つ重要性に気づかなければならないと気づきました。
早めにものを作って早めに切り替えるというのが、一回作ってみんとわからんこともあったし、大切なことなんだなということに気づきました。
演習を通して、一人で出来ることって意外と少ないなっていう風に思いました。やっぱみんなで協力したから100個のキットを授業内に作り終えることができたと思います。
想定していた以上に多くの方に足を運んでもらえて、とても嬉しかった…。完成までの間に不安だった点が逆に面白い!と感じてもらえる要素だったり、本番まで気づかなかった点が実は一番子供にとって詰まる要素だったり、今までやってきたユーザーテストとは比べ物にならないくらいの膨大な気づきを与えてもらえた。
見本を見せることって大事だなと気づくことが出来た。最初に答えを言わず、見本を見せて何が違うと思う?ときくとなんで自分のは飛ばないんだろう?と一生懸命考えて答えを出してくれた。