Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

地域アイデンティティ構築をソフト面から攻める街

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機会があって、豊岡市兵庫県)の企画である「親子運動あそび・コミュニケーション教育ワークショップ」に参加してきた。会場は都内で、市のプロモーション活動として位置づけられたものである。あの平田オリザ氏が直接ファシリテーションするということで超楽しみにしていたのだが、彼の指導は小学生以上の部だけとのことで涙をのむ。

内容は幼稚園でやったことがある親子体験のものとそれほど変わりはないな、と思ったが、身体をつかったゲームの中に、全身の筋肉を動かし、身体をコントロールする経験がうまく埋め込まれているのは興味深かった。我々は全く意識していないが都市生活しているとせいぜい歩いたり座ったりぐらいで全身の筋肉を使うことは少なくなっている。あと、インプロワークショップの進行とも通じる部分が多々あり、個人的に勉強になった。扉写真は、子どもとペアで参加者間で「こんにちは!」と挨拶するゲームなのだけど、親にだっこされつつ子供たちは仰向けになってつぎつぎに挨拶していくというもの。(僕のインプロワークショップを受けた人たちには、何が通じるのかわかるだろうw) 

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豊岡市地域活性化事業では、四国の神山とか北海道の東川などと並んで広く知られているが、「人がどのようにいきいきと生活をするか」のソフト面から自分たちの街の独自性を創ろうとしている取り組みが素晴らしい。なんとこの春からはオリジナルな演劇教育を全市で一斉に導入するという。ちなみに僕が参加したこのワークショップも市の取り組みを広く知ってもらう移住促進活動としての開催だ。街が一丸となってオリジナルな表現教育に取り組むというのは、イタリアのレッジョエミリアを彷彿とさせる。

豊岡市の芸術文化参与である劇作家の平田オリザさんが中心となり進めているプロジェクトが、演劇を使ったコミュニケーション教育である。2015年度から試験的に一部の学校で導入してきたが、この2017年春からは豊岡市内全ての小中学校の授業で開始される。特に合意形成能力を高めるには演劇の手法は有効であり、子どもの時から身体感覚として会得していることの意味は大きい。同時に全ての公立の保育園・幼稚園・こども園では、英語遊び保育も始まる。

www.projectdesign.jp

 平田オリザさんは次のように語られています。
「演劇の役割として注目されているのが”合意形成能力”。一定の時間内に話し合いをして、アウトプットしたり、自分の役割をきちんと果たしたり、誰に何を伝えるかを意識したりする能力で、演劇はこれらを楽しみながら身につけることができるんです。」と。

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