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みえないものを、みる視点。

ヘルスケアのリビングラボを見学する

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12月2日.安岡さんと一緒にオーデンセにある某研究開発施設を訪問.ここは数年後,大型病院の建設が予定されており,最先端の医療機器や医療の取り組みが導入される準備中ということで,活発に開発が行われており,その方法としてリビングラボを活用している.またヘルスケア産業の拠点として企業間のコラボレーションやマッチングの支援をしている,という.

 

それにしてもなんという規模.写真のようにキャットウォークからのメタ視点を確保するという仕組みで,物理的に観察モードと実行モードを構築しているのが興味深かった.

 

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処置室や関連機器も原寸でプロトタイピング.壁の棚とかよくみたら発泡スチロールだ.

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例えば,遠隔医療をプロトタイピングするために,いかにテストとフィードバックの円滑なサイクルを確保するか,についていろんな工夫が行われている.異業種コラボレーションにおいては,結果だけではなく,やりかたからデザインすることの必要性を強く感じさせる.

 

個人的に興味深かったのは,このヘルスケアイノベーションの組織には,医療関係者やエスノグラファなどの専門家に混じって,グラフィックデザイナーが雇用され,各チームに加わっていること.病院建設にグラフィックデザイナーが関わるというのは面白い「越境」だ.もちろんポスターづくりのようなトラディショナル仕事ではなく,見えないことをビジュアライズする専門がチームに不可欠なスキルとして位置づけられている.