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みえないものを、みる視点。

地域資源としての岡本太郎

11/19(土)には、KS(川崎・専修)ソーシャルビジネスアカデミーで講義とワークショップを担当した。これは川崎市×専修大学による社会起業家向けの連携事業であり、専修大学大学院経済学研究科の社会人大学院特別教育プログラムとして運営されている。その中の「都市における社会参画・まちづくりのためのデザイン」という単元でデザインの科目(計4コマ)があって、それを僕が担当しているというわけだ。ほぼデザインとは縁の無い方々にデザインのワークショップを実践できる、というのはとても貴重な機会なので、毎年この時期は頑張っている。

 

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一部スライドを紹介する。1コマ目は「社会包摂」という見えにくい因果関係をみるために、デンマークの街の事例を紹介。それを通して日本社会の構造を考える。2コマ目はワークショップで、今回は地元川崎市多摩区にある、岡本太郎美術館とのコラボレーションである。

 

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美術館側としても利用者が美術ファンだけで閉じていることに対する危機感は強い。そういうわけで近年は岡本太郎美術館も、地域住民と関わりを深めようといろんな普及プロジェクトを行っていて、上平研究室でも地域住民参加型のプロジェクトをお手伝いしている。学芸員のみなさまとミーティングしている際に、KSアカデミーのワークショップとして実施することを思い付いて、今回の講座に取り入れてみた次第である。

 

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短時間(2時間)だし、まあ(よくある)地域資源を活用しようとするアイデアワークショップなんだけど、そこは僕もプロとして細部には工夫をいれていて、この頃はロールプレイイングやシナリオを積極的に取り入れている。よく知らない人同士でいきなりブレストさせてもダメですね。どこにもいない空想上の「地域の人」の架空のアクティビティを飛び交わせるのではなく、実在する人間としての参加者からその人の生活状況を聞き出し、リサーチと文脈理解、アイスブレイクを兼ねるのがポイント(これをメンバー全員で役割変えながら回す)。発想のジャンプ台として、まず事実を収集するのはとても重要である。

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30代から70代まで、いろんな年代の人が参加して下さってます。

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最後はアイデアを一案に絞り、簡単な素材でプロトタイピングしてプレゼンする。

岡本太郎美術館のある生田緑地は、自然は豊かだが、意外に子供を遊ばせる場所が少ない・・・ということで岡本太郎の作品から発想した「TARO遊具」を作って設置する、そこを介してTAROを知るきっかけにするという案はとても興味深かった。真ん中に見えるのは、太陽の塔の滑り台+ブランコと、代表作「痛ましき腕」のシーソー。リボンがシーソーになっている。TAROの造形はプリミティブで色使いも明快だからこそ、原作の魅力を持ったまま人々が新しい視点を足してさらに発想を生むことが出来そうで、美術館のワークショップとしても展開できそうな気がした。そして専門家とコラボすれば実際の遊具として実体化することも不可能ではないと思う。いつか実現するといいな。

 

残り2コマは今週土曜。綱渡りは続くが頑張る。