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みえないものを、みる視点。

須永剛司 ✕ 上野学 特別対談「現象学とデザイン」

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5/27(木)の夜、若手のみなさんが集まる読書会のメンバーを母体にしたオンラインイベントを企画しました。情報デザインの第一人者の須永剛司先生(元東京芸大教授)とオブジェクト指向UIデザインを理論化し、常に一貫した鋭い言説で知られるデザインコンサルタント上野学さん(ソシオメディア)が語り合う、という歴史的な対談です。

 

須永剛司先生の「デザインの知恵」、上野学さんの「Modeless&Modal」もみんなで読んでいたので下準備はバッチリ!・・・のはずが、お二人のリクエストで何か中心となるお題があったほうが話しやすい、とのことで僕がチョイスしたのが「現象学とデザイン」。難解そうなテーマながら、二人は我々にもわかるような易しい言葉で丁寧に話してくださり、交わされるやりとりに参加者一同心から酔いしれ、目からポロポロと鱗を落とした夜でした。あまりに深夜に興奮しすぎたせいで、みんなよく入眠できなかったようです。

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参加してくださったグラフィックレコーダーの清水淳子さんから図の公開の許諾を頂きましたので、ここで公開しておきます。

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もっと拡大してみれるPDFはこちらにあります

図を丁寧に見ていくと、どんな対談がおこなわれたの概要はつかめるとおもいます。清水さんの視点を通した表現ですので、文字による議事録とは位置づけが違うものですが、このグラレコは出てきた「キーワード」と流れの中では見えにくい「話題の接続」はしっかりと明記されている一方で、抽象的なものは抽象さを保ったまま描かれており、(参加者は)自分の解釈と照らし合わせた再解釈ができるようにバランスよく描かれていることに気付かされます。その絶妙な切れ味は、まさしく名人の寿司職人が刺身を一瞬でスッと切るような、自我意識に先立つかたちで身体が反応していく即興的行為ならではです。熟考してあれこれ検討しているとこんな鮮やかさな記述にはならないものですね。ありがとうございます。

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今回はインフォーマルな場ということもあり事前非公開でしたので「参加したかった」と悔しがる声も数多く聞こえてきそうですが、須永先生と上野さんも楽しんでくださったようですので、またいつかリアルでも機会があるかもしれません。

 

須永先生、上野さん、お忙しいところありがとうございました!

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■須永剛司『デザインの知恵』フィルムアート社2019

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■上野学・藤井幸多『オブジェクト指向UIデザイン』技術評論社2020

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■対談の中で触れられた本

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