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みえないものを、みる視点。

"もし,君が近所のあそび場をデザインするとしたら,洗濯機を忘れないように"

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ヴィクター・パパネックの言葉.「もし,君が近所のあそび場をデザインするとしたら,洗濯機を忘れないように」

先日.ドイツにて田嶋さんが教えてくれた事例.完璧な遊び場をつくったが失敗した.でもちょっとした工夫をすることで親子が自然に集まるようになったという話.

 

パパネックの「地球のためのデザイン」(1998)に掲載されているものだが,研究室にはあるものの,こちらで読めない.コペンハーゲンに調査にこられたワークショップ研究者の森さんが日本で購入して運び屋をやってくださった.ありがとうございます.

 

実は英語文献読まなきゃ行けないんだけど,面白いのでついつい読んでしまった.パパネックはデンマークでもデザインを教えていたらしい,

 

デンマークで若い男女にデザインを教えていた時のことである.経済不況が押し寄せ,しばしば彼らの専門職への就職が心配であった.多くの学生が卒業して,コペンハーゲンあたりでビールを瓶に詰める仕事やタクシー運転手の仕事にありついた.この臨時の仕事の合間にもデザインの訓練は役だった.一つには教育が社会的な良心を育てたこと.もうひとつは質に対する彼らのこだわりを助長したこと.彼らは評価することを教えられたので,疑問も抱かずに仕事の進め方を受け入れることはない.例えば,ビール工場で働く学生は管理部門に対して不快なイヤホンを付けることは必要なく,その代わりに機械を防音すればいい,と提言した.<第10章「来るべき時代」すべての人のためにデザイン教育 p219>

 

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