データ整理しているときに、偶然懐かしいものを発掘した。10年前、看護師向けの専門雑誌で「看護師の方々にデザインの力を知ってもらう」という連載記事があって、僕にバトンがまわってきた時に作ったもの。見開き2ページを使って自由に考えるという企画だった。
この年のテーマは「手洗い」ポスターのリ・デザイン。病院で看護師達が見飽きているだろう題材が設定されていた。意外なことだが、忙しさのあまり手洗いを忘れてしまう看護師はけっこういるらしい。そこで看護師たちがふと目を止めて手洗いに新鮮な気づきがあるような思考実験的なコンテンツをつくれ、というものだった。
というわけで、ぼくが考えたのが「プロフェッショナルなマインド」に訴えるという作戦。ここで晒してみる。
左ページにグラフィックが配置。(当時ポスターのデータは出版社のウェブサイトからダウンロードして印刷して使えるようになっていた)
右ページにはデザインを解説するページ。
この時には埼玉で内科クリニックを開業している医者の従兄弟に会いに行って、病院を観察させてもらったことを思い出す。彼が目の前で手を洗う時の所作の美しさに感心して、それをそのままアイデアにした。
そして、このシリーズは割と評判になったらしく、「次年度も是非!」となった。次の年のテーマは・・・なんと「うがい」。(そして読者は一般向けに変更された)
うーん、これは難しい。マナーポスターという範疇では届けなくてはならないルーズな人にこそ届かないことが多いわけで、そこにメッセージ性込めても限界がある。
ということで、さらなる変化球を繰り出す作戦。
100均で変えるものをつかって「うがいロボ」をつくるという図解を組み合わせたネタにした。もはや真面目に答える気がないのがバレバレだ。
解説ページはたしかフォーマット指定あったのかな。
読み返してみると、いまとあんまり考え方変わっているわけではないんだなぁ。
忘れた頃に見てみると、自分で書いたことでありながらなかなか面白い。