Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

人をファンにさせるものは

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先日、渋谷を通った際に、ふと思い出して池尻大橋の住宅街の中にあるアパレルショップを訪問してみた。以前代表の木村昌史さんのインタビューを読んで気になっていたのだ。 ALL YOURSという名前の、びっくりするぐらい小さなお店である。試しに一着購入してみて、 着心地の良さも気に入ったけれども、それ以上に、多くの人がうすうすと感じていることを見抜いてそれを具体化していく木村さんのアクティビティが素晴らしくていっぺんに気に入ってしまった。

 

木村:例えば私服を着る回数って、最近では週2から週7になっている人が多いと思うんです。

長橋:確かに、働く際にスーツを着ない人が増えたかもしれません。
木村:はい。とはいえ、もともとアパレルウェアもファッションウェアも、基本的には休みである土日に着られる服として作られています。それが、産業構造の変化や働き方の多様化によって、スーツを着ない仕事の人が増えて、週7で私服を着るようになった。その結果、洋服の選び方が変わってきているんですよ。

 

人が何かを始める時のエネルギーって素晴らしいなって思ってて、うちの商品ってモチベーションをあげる服だと思ってる。
人が行動するきっかけが作りたいんですよね、生活の問題点を解決するきっかけを与えると言うか。そういうことをやりたいなぁって。

 <中略>

機械で作ってはいるけど、大量消費じゃない。ハンドメイドは幸せになれる人の人数が少ないんですよ。自分で作って売るから、自分しか儲からないし、買える人が超少ない。それをちょっとマスプロダクションにしてあげると、それで飯が食える人がすごい増えるんですよね。作ってる人、販売してる人、経営してる人。さらに買える人が増えるから、それで幸せになる人がすごく多い。

 

localdata.jp

 

ALL YOURSとDEEPER’S WEARは、「LIFE-SPEC」というコンセプトを提案する、世界で一番ダサいブランドです。
 

・外装のデザインをしない。
・トレンドを追わない。
・難しいことはしない。
・無駄なモノを作らない。

 
この事に細心の注意を払ってモノを作っています。
 
これは多分、他のブランドと大きくベクトルの違う考え方をしていると思います。
 
それは、僕らが洋服を「ファッション」として捉える事をやめて「洋服」=「道具」として考えているからです。

beinspiredglobal.com

 

引用したところだけでなく、どの発言も深いところを鋭く突いていていてとても面白い。改めて読み直しながら、こういう人がつくるものなら、次も購入しようかな、と思った。そして珍しく洋服買うときにそんなことを考えた自分の気持ちの変化を考えてみた。これが「ファンになる」という気持ちなのか?僕の場合は、自分の言葉を持っていてそれをアクティビティとして実践している人に弱いことに気付いた。その活動を応援したいのもある。つまりは、人をファンにさせるのは、購入者の背景ふくめ関係的になり立っていることであって、ブランド側が提供する要素に還元できるものではないな・・・というところまで考えた。