先日、Esbenと一緒に電車で帰宅途中、僕らのOrdrup駅で降りた際、彼がとんでもなく貴重な場所に連れて行ってくれた。
駅に近い、とある墓地。地元の金持ちが立派な墓を構える中、外れの方の木陰にそれはあった。ぽつりと生えた小さな松の木の根本付近に2つの石が見えるだろうか。
実はこれは墓石で、生い茂る草にうもれて朽ち果てたようなかたちでひっそりと置かれている、「慎ましい」としか言いようのない二つ並んだ小さな墓だ。
丸い墓石の碑名を読んでみると・・・。
ARKITEKT ARNE JACOBSEN 1902. 2.11-1971.3.24
と刻まれている。なんとアルネ・ヤコブセンと奥さんの墓である!!!!!!
全く案内板も手がかりもないという不親切さ。本当に極めて限られた地元の人しか知らないらしい。Esbenは高校生の時にここを散歩していてたまたま知ったという。
街の人々はちゃんと区画ごとに立派な墓石を作っているなかで、あれほどのデザインの巨人の墓がこんなに質素で、自然に埋もれて、還って行くようなシンプルなものだとは。 逆にそれこそがヤコブセンと遺族のセンスというべきか・・・・。まあ彼のアウトプットは世界中で使われているし、人々の中に自分の創造の痕跡が生き続ければ、自分の身体の跡はそれほど重要でもないのかも知れないな。
これは日本に初の紹介か?と心躍らせて検索してみたら、数年前に先達が居た・・・。
くそう。こちらの記事に詳しくレポートされてます。
腰が抜けるほど吃驚したが、ヤコブセンを育てたこの街をもっと観察してみようと思った。