Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

デュアル・ファシリテーションの可能性

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うう、忙しくてブログ書く時間もなくなってきた。9月21(月)、22(火)は終日、Give&Takeのコンソーシアムのミーティング。普段なかなか会えないデンマークオーストリアポルトガルの3カ国のメンバーがみんなメインの仕事休んで王立デザインスコーレの一室に集まって集中討議した。

 

同じテーブルで彼らの作業を見ていると、EvaもThomasも本当に凄い。二人は王立デザインスコーレの大学院CoDesign専攻を率いているツートップの教授同士なのだけど、さすがにこういうワークショップの進め方にかけてはプロ中のプロだ。Thomasがぐいぐいとオーストリアチームのコミュニティビルディングの現状を聞き出し、どんどん問題の核心へと切り込んでいく。それをEvaがスイスイと書き留めてドキュメンテーションしていく。

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メンバーはみんな指で示しながら自分たちの論点把握に利用しているが、問題点やポイントなどの論点がキレイに視覚化され、スピードアップできているのはEvaの構造化の手腕によるものだろう。

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話に参加しながらもチョキチョキとはさみを使い、器用にポストイットを加工するEva。カメラ向けたらよく見えるようにサービスしてくれた。

黒子に徹しながらも、要所では積極的に介入しているのでレコーディングというよりもこれはファシリテーションと言えるものだが、Thomasによるオーラルコミュニケーションのハンドリングと、Evaによる視覚化のハンドリング、しかも長年一緒に仕事しているだけあって、阿吽の呼吸で役割分担しており、翼君と岬君のような見事なコンビネーション。これはいわばデュアル・ファシリテーションとでも言えるものだろう。凄いレベルのものを見てしまった。こういうペアを意識して進める(職能・役割を育てる)のは大事なことだと気付いた。

 

今回はEvaはあまり喋らなかったが、彼女は実は弁も立つ。デザイナーとして手も動くしペーパーも素晴らしい万能型の研究者である。市民を巻き込むための手法、デザインゲームの第一人者で、一連の研究はとても面白い。

↓この凝り方w ここまでやるか。

codesignresearch.com

日本でも数年前にちょっと(僕が企画して)安岡さんをお招きして実施してみたことがあるが、デザインゲームに関するEvaの論文を全部頂いたので、もうすこしちゃんと解釈してみようと思う。

 

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3グループで、ディスカッションして共有。この後のリビングラボでは4つの役割をセットで考えるのがセオリーのようで、条件を満たす被験者のリクルーティングで苦労している感じだ。

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夜はみんなでパーティ。伝統的なデンマーク料理のコース料理は3皿(オードブル、メイン、デザート)なんだそうで。船の上のレストランで、なんというか屋形船で天ぷら食べるような感覚だった。