読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

路面蒸気機関車・モリー鉄道に乗った

f:id:peru:20150727051524j:plain

ドイツのバルネミュンデに寄港した際に、隣町のバード・ドベラーンまで出かけてみた。ここには世界的に珍しい、なんと路面を走るSLが現存しているという。僕は鉄ヲタではないがそれでも珍しいものに対する好奇心は押さえられない。ご覧のように上品な商店街の中に路面電車のレールがあって、普段は車も走っているし、人も普通に歩けるわけだが、遠くからカンカンカンと信号の音がすると、やがて・・・。

f:id:peru:20150727051629j:plain

こんな感じでゴトゴトと唐突にSLがやってきてぶったまげる、という体験ができるのだ。このシュールさは、まるで漫画「ねじ式」の有名な1シーンのよう。

乗客は基本的に観光客なのでニコニコして嬉しそうに手を振るし、地元の人は日常風景なので完全スルーという対比が面白い。とても人気のようで、夏場は1時間に一本ペースで往路と復路がいるので、けっこうなタイミングで撮り鉄することもできる。商店街を走るSLって、こんなにも魅力的なものなのか。安全面で言えばいろんなところがとてもやばい気がするが、それでも何も問題無いんだろう。

 

f:id:peru:20150727051632j:plain

モリー号に乗ってみる。内装もクラシックで風情があるが、商店街を抜けて本気でスピードを上げると、これがまた良い感じの一面の小麦畑や田舎道を走っていく。「世界の車窓から」でも取り上げられたらしいが、モクモクと煙をあげて疾走する勇姿は実にSLらしい。というか僕は生まれて初めてSLに乗った。

f:id:peru:20150727233156j:plain

20分ほど走った後、途中のハイリゲンダム駅で復路に乗り換えて、出発したバードドベラン駅に到着。運賃は往復で9.5ユーロ。

 

このモリー鉄道の経緯はなかなか面白い。旧東ドイツにおいて地元民の足としてよく利用されていた列車だったが、25年前のドイツ統一後のモータリゼーションの波で乗客が激減し、赤字路線として国鉄から廃止宣告をうける。だがモリー号を愛する地元民の強い運動で資金を集め、第三セクターとして再出発できたそうだ。

それが今では、この世界的に珍しい路面SLに乗るために、世界中から観光客がやってくるようになった。モリー号はまちがいなくこの街の観光の目玉だ。バード・ドベラン周辺はバルト海に面した避暑地で、もともとキレイな街なのだろうけど、観光客が落とすお金で商店街も美しく作り直されていく。

 

短期的視点では収益がでないことでも、長期的視点で特色を育むことで観光資源になり、逆にお金を生みだす。大事なことは、時代の変わり目で役に立たなくなったものを簡単に無駄と切り捨てないで、そこに自分たちなりの価値を見出す地元民の愛である。そんな素晴らしい事例を見た。

 

drfc-ob.com

 

youtu.be