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みえないものを、みる視点。

運動会、この日本的なるもの

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8月30日(日)は、コペンハーゲン日本人補習校の運動会。デンマークに駐在している家庭の子ども達や、日本にルーツのある家庭の子供たちは平日はみんな現地の学校、もしくはインターナショナルスクールに通っているわけだけど、この学校は、そういったこどもたちの教育のために、日本語および日本文化を学ぶ場として土曜日の午前中だけ(校舎を間借りして)運営されている。かなくらぶ(幼稚部)、小学校、中学校の合同なので入場行進もかなり身長のバリエーションがあって面白い。

それにしてもデンマークに来て、久しぶりにこんなに日本人が集結しているのを見た。コペンハーゲン桜祭り以来だ。日本からはるばる孫の応援のために来たというおじいちゃんまでw

 

日本に居るときには空気のように当たり前に存在していたし、参加するのは当然なイベントだったけれど、懐かしいという気持ちと同時に運動会というものは極めて日本独自のものなんだな、と気付かされた。整然とした入場行進に万国旗、勇ましい音楽、仲間と敵を意識化するような応援合戦、順位を付ける徒競走、障害物競走・・・。

 

一糸乱れぬ団体行動を訓練されられるところだけでなく、障害物競走なんてモロに軍事訓練っぽいが、運動会は戦前から続いている義務教育のカリキュラムだけあって、いろいろ昔の教育の名残が残っているようだ。

とある奥様曰く、「運動会に家族が来る、というのは日本人にとってはとても大事なことで、あなたたちにとってのクリスマスと同じくらいの意味を持つんだよ、って主人に伝えたけど、イマイチ重要性を分かってもらえなかった」。

話聞くと、デンマークでは競技会やクラスマッチのようなものとしてはあるけど、純粋にスポーツで、休日に家族も参加していっしょにお昼ご飯を食べるようなイベントという風習はないらしい。

 

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まあ、ここではそういった風習を忌まわしいと言いたいではなく。ちょっと生意気そうな中学生たちが競争に真剣になっている姿を見るのも楽しいし、応援席で家族ぐるみで交流するのもなかなかできない体験であった。そして、準備時間少ない中で、手弁当で必死に各プログラムを準備している親御さん(主に母親達)たちの姿を見ながら、裏方として尽力しているスタッフの姿にも感動した。こどもたちも親たちもみんな楽しそうで、異国で日本独自の文化を再現しているのはとても素晴らしいと思う。

 

深く考える機会もなかったけれども、ここに来て初めて運動会の持ついろんな意味に気がついた。