Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

卒業式にて

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久しぶりの投稿。年が開けてから連日単著の原稿や論文を書いてて、なかなかブログまで手が回らない日々だ。

さて、昨日は本年度の学生達の卒業式・学位記授与式。あわせてささやかな記念品を作った。コースターもアクリルのストラップも余っている素材でつくったもの。こういったグッズが簡単につくれてしまうから、レーザカッターは便利だね。

 

アクリルのプレートには全員の似顔絵が入っている。そして小さく re:member in your memory.と書いてある。素材を切り出した後の面倒な組み立て作業を手伝ってくれた奥様が「その意味って説明しなきゃ・・・わからないんじゃない?」と言うので小さなお手紙を入れてみた。

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上平研究室のみなさん、卒業おめでとうございます。記念品のコースターとストラップを贈ります。コースターは是非普段使いしてやって下さい。いろんなシミがついて使い込むほどにいい味わいになっていきます。アクリルストラップにはモカちゃんがメンバー全員の似顔絵を描いてくれました。特徴を捉えていて素晴らしい仕事です。実はこの似顔絵には、あえて名前のキャプションをつけてありません。卒業式の今日であれば、一瞬見ただけで誰が誰か分かるはずです。でも10年が経ち、20年が経つ頃、みんなの顔もずいぶん変わっているでしょう。そして、30年後、みなさんはどんな人生を歩んでいるでしょうか。


 このストラップは、きっとその存在すら忘れた頃、引越などの機会にもう一回ぐらい手にとって眺める機会があるかもしれません。その時、誰が誰か、似顔絵から思い出してみて下さい。そうすれば、君の記憶の中で、その時我々はもう一回メンバー(re:member)になることができます。


 卒業演習は成果物だけでなく、共に悩み、共に考え、励まし合った仲間たちとの経験こそが宝物です。お互いに数ある選択肢の中で出会ったことは偶然の巡り合わせに他なりませんが、みなさんが切磋琢磨する中で大きく成長する姿をみれたのは、僕にとっても幸せな時間でした。そして、ほんのちょっとでも足場になることができたんだろうか、と自問自答しながら僕は教員を続けています。


 何度かゼミの中で話してきたように、卒業演習でテーマにしたことはゴールではなく、出発点です。社会の波に揉まれて自分を見失いそうになった時には、原点に立ち返って見渡してみましょう。きっとそこに埋もれていた別の意味が発見できるはずです。

 

Takahito KAMIHIRA   2019.3.22

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日本武道館にて。またどこかで会いましょう。