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みえないものを、みる視点。

日本で須永先生の講演が企画されているそうだ

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日本デザイン学会情報デザイン部会の主催で、須永先生の講演があるらしい。(9月24日に東京ミッドタウンのデザインハブにて)。

 

social-design.peatix.com

 

速攻で満席になってしまったので、まあ今頃ここで宣伝したところで全く意味ないのだけど。(ちなみに部会員に情報がまわる前に埋まってしまったそうで、別途会員向けには別の機会を設定しよう、とのこと)

 

 須永先生は秋から東京芸大デザイン科の教授に就任されて新しいデザイン教育の取り組みを始める、ということで、3ヶ月ほど北欧や英国に滞在して情報収集をされていた。その貴重な日々が日本の人々にシェアされるのはとても喜ばしいことだ。おそらく話題も多く、今回の講演では割愛されるであろうコペンハーゲン巡りを載せてみようと思う。コペンハーゲンでは僕もいろいろとアポを取り、一緒にまわったのだ。須永先生はソーシャルメディアをやらないので他人には行動が謎なのだけどw、6月のとある数日を勝手に公開してみる。

 

1) ITUのLoneと議論(写真撮りそびれた)。

須永先生は すぐLoneと意気投合して、その後、あっという間にデンマークと日本の共同グラント申請の話へとがまとまっていった。何このスピード。これからイギリスのランカスターに行く、という須永先生に、「ランカスター行くなら、サッチマン(ユーザインタフェース研究では知らない人いない重要人物)に会うといいよ、紹介しようか」とサラリというLone。一流は一流を知るというが・・・。

 

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2)王立デザインスコーレの大学院、Co-Designリサーチクラスターにて、准教授のJoachimと。小道具の数々からもわかるが、ここは積極的に街に出て市民を巻き込んだデザインプロセスに取り組んでいる。

 

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3)ITUで僕の同僚だったNielsとLiesbethとベルギーのデザイン動向について議論。彼らはオランダ語母国語ということでオランダの状況にも詳しい。アイントフォーフェンデザインアカデミーのSocial Design専攻は、市民と大学の関係づくりをとてもうまくやっているらしい。ウェブサイト見ると情報デザイン専攻も面白いな。

 

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4)インタラクションデザインに特化した教育機関の雄、CIID(Copenhagen  Institute of Interaction Design)にて。SONYから留学しているSNさん(彼のブログ)に仲介してもらい、教育部門長のAlieと議論。ちなみに、今では世界的デザインスクールとして知られているCIIDだが、その前身はイタリアにあったInteraction IVREA (2001-2005)という実験的な機関であり、Arduinoはそこで生みだされた。須永先生は2002年にいち早くIVREAの教育取り組みを紹介し、同時期に校長のギリアンを日本に呼んで講演を設定した。かつて僕もその講演に居あわせてIVREAに憧れたものだ。

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5)コペンハーゲンの大手建築事務所のSHL(schmidt hammer lassen architects)。あの王立図書館(ブラックダイアモンド)を設計したところ。日本人でありながら、ここで活躍されている建築家の勝目さんが解説してくださった。多摩美で環境デザインを学んでいる須永先生の娘さんが同行していたんだけど、学生のうちにそんな場所をみれるのは羨ましいね。

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僕は多摩美関係者でもなく、須永先生との直接の接点は少なかったのだけど、実は筑波での学生時代に資料室で借りた須永先生の博論はものすごく参考にさせて頂いたという大きな思い出がある。今回はたままた同時期に欧州に滞在したという珍しいきっかけだったが、一緒に刺激を受けたり、研究へのアドバイスも沢山頂くことができた。そして(ここには書けないような色んな裏話を通して)情報デザインという分野を開拓し、自ら旗を振ってきた先生もずっと試行錯誤しながら続けられてきたんだな、と知った。今の日本では、どうしてもスピーディな社会に現場で使えるような専門知識への対応を急ぐあまり、デザインするという行為の根幹を問い、支えるような思想を持つ教育者は少なくなっている気がする。長期的な視点は大切だ。

 

関連リンク:

須永剛司 先生から教えてもらったこと:プロローグ | さんにんごと | 株式会社トライアンド

↑ 平野君、連載の続きを書いてくださいw