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みえないものを、みる視点。

プロ級のシェフにフィンランド料理をご馳走になる

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岡田先生(アアルト大学客員教授)のご厚意で、転居されたばかりの岡田先生のご自宅でホームパーティに混ぜていただく。ちょうど日本人の研究者がヘルシンキに集まっていた時期で、岡田先生、東大水越先生、真鍋先生、愛知淑徳大の宮田先生、武蔵学院大の上松先生ご夫妻、そしてうちの家族、と合計で9人。岡田先生は沢山の料理の準備から調理、テーブルセッティングまで全部お一人で切り盛りされていて最後までテーブルに着席できることはなかった・・・。料理は全部もうプロ級の腕前で、全員が感動した。フィンランド料理だけでなく、手厚いもてなしをしていただいて感謝の限り。旅先で現地の人による手作り料理をご馳走になることとは最高の喜びだと思う。

 

主に話題は、近況や研究内容の交換だったのだけど、タイミングが合わず水越チームのStoryPlacersのワークショップを見れなかったので、ここぞとばかりに背景にある考え方をいろいろ聞かせて頂いた。水越先生達はフィンランドの小さな街まで出かけていき、地元の人達を対象にして、場所にまつわる思い出のテキストや語りを蒐集していくようなメディア実験を試みているそうだ。あの凄まじく頭の切れる水越先生が一生懸命言葉を探しながら説明しようとしている姿を見ていると、彼ほどの人でも先に結果を読んで実験しているわけでなくて、模索したことを通して自分で考えながら進めているのだな、と印象に残った。たしかに受話器はその場にありながら、使う人によって(過去をふくめて)時空間をつなぐ。埋もれたメディアの可能性を信じて試行錯誤している姿は自分にとっても励みになった。

 

ところで、岡田先生によると、フィンランドでは年に4回、だれでもどこでも、シェフとして自分のお店をだすことができるイベントがあるそうだ。なんと公式サイトには日本語ページまである。

www.restaurantday.org

 

想像してみてください。もし誰でも、どこでも一日だけレストランが出来るとしたら、、、、、、。

レストランの場所はどこでも構いません。あなたの家の食卓でも、オフィス、公園、海岸でも。ピクニックのようであったり、ホームパーティースタイルになるかもしれません。お金を会費のようにシェアしてもらったり、ドネーションしてもらったり、もらわないのも自由です。

ゴスペルを歌うカフェ、洋服屋や、花屋さんでティーパーティーというのもアリです。畑で採れたての野菜を食べてもらっても、おばあちゃんのぬか漬けを味見してもらってもいいかもしれません。

今、食の安心、安全な食料自給率の低下、世界的な食料不足問題など様々な食にまつわる問題があります。『レストランデイ』は普段受け手である人たちが、食について考えるきっかけとなる一日限りのカーニバルのようなものです。

 

このイベントのコンセプトはとても面白い。きっと岡田先生はお店を出されるに違いない。応援しております。