Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

フィールドワーカーの嗅覚

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2週間ほど前のこと。国際学会でコペンハーゲンにこられたi先生とちょっと酒を飲みにいくことになった。i先生とは同じ大学で学部は違うが、10年ほど前にJリーグの某チームの協力のもとでサッカーの分析者のツールのUIの共同研究したことがある。

 

i先生は夜の街歩きがとてもうまく、一緒に歩いているとどっちが住民なのかわからない感じになっていった。ネットも地図もまったく使わずどんどん歩き、「む、ここだ」と三次会に選んだ店は、地元のブルワリーで占められた生ビールがぎっしりとモニターに映されれていて、おまけにリーズナブルで、客も地元の人しかいない。自分の嗅覚だけを頼りに、大当たりのお店を探り当ててしまった。すごい。

 

日本でもA先生とかM社のUさんとか身近にもそういう人はいるんだけど、いずれも似た鋭い嗅覚をもっていて、食べログやyelpの口コミ評価とは全く違った選択をしつつ結果的にいい店を見つけてしまう。なぜそんなことができるんだろうかと、ちょっと考えてみた。いろんな情報を得て総合的に見分けているんだろうけど、その場にチラリと見えるお客さんたちの姿をちゃんと観察していること、そして何よりも探すこと自体を楽しんでいるということが大きいんじゃないかと思った。楽しんでいる人は、行動のすべてが無駄にならない。そういえばまったく読めない地元のビールの銘柄選ぶ際も、店員とコミュニケーションとりながらリコメンドしてもらっていて楽しそうだった。

 

 i先生は10年ほど前に在外研究でアルゼンチンを行き先に選んだらしい。過酷な日々とそれに対して取ったいろんな対策を聞きながら、自分ももっと自分を追い込む必要なあるな、と思った。ありがとうございます、 いい酒でした。