Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

UI for the seniors

f:id:peru:20150512034832j:plain

今日は午後からGive&Take Project。もうすぐ始まるソーシャルワーカー向けのワークショップに向けて、シナリオを元にみんなでUIを詰めている。

 

みんなの議論を聞きながらふと思ったのでメモ。高齢者向けコミュニティサービスを考えるにあたって、そのUIにおいて大事なことのひとつに、認知負荷を減らすことがある。情報過多の現在、チェックする場所や書き込みする場所があちこちに分散していると、どこで何の書き込みをしたのか、誰にあとで反応しようとしたのか、だれしも忘れやすい。だからこそ、ダッシュボードで一覧性を高めたり、自分のアクティビティの履歴を残したり、というシステム側のサポートがいる訳だ。その意味でUIは一時的UXのスコープだけで設計すると無理がでる。

 

余談だが、僕の日本の勤務先の学部で2,3年前に管理者の某先生がサーバを移行する際に誤って学部内グループウェアを全消ししてしまったことがある。10年間分のログや各種ドキュメントが蓄積されていたのが、一瞬で全て消えた。その先生が「テヘペロ」と言っていたかは知らないが、それはまあいい。その影響としてよく覚えているのが、僕を含めよく投稿していた教員は、みんな「自分の」過去投稿が消えたことにものすごく困ったのだ。みんな一年が経って忘れた頃に繰り返しやってくるイベントに、過去の自分の書いた書き込みやそれに対する質問を検索して参照しながら新規に投稿していた、というわけだ。そうでもしないとイチから文章を書いてまとめていたのでは、時間がかかりすぎる。たぶんメールや発表資料などでみんなこれに近い経験があると思う。

 

長く使うものは、必ず繰り返しの手続きが入る。そしてなんらかのかたちで忘却と想起、記憶の再構築の体験が伴う。過去の自分と今の自分をストレス無く接続させることはUIこそがカバーできることだろうし、それは高齢者だけではない問題のはずだ。