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みえないものを、みる視点。

お笑い芸人とコンビを組む

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先月に渋谷で開催されたUX dub Vol.3のレポートが公開されている。僕とお笑い芸人の野村くん(オシエルズ)のコンビでインプロのワークショップを実施した時のもの。

www.ajike.co.jp

僕のスライドもここでも公開。

 

  元々は教え子のNさん経由で昨秋にアジケ社の幹部の方々と酒飲んだとき、酒の勢いで「やろうやろう」と盛りあがったのが発端だったんだけど、そこからアジケのみなさんガチで企画してくださって、なんと本当に開催されることになった。

 社長・副社長含めて社員全員がインプロを経験する、というのはトップダウンの命令でもない限りなかなかできないことだし、クリエイティブな組織作りとしてとても面白い試みだから、それはぜひとも応援したい。でも、その一方で僕自身がマンネリ化しつつある危険を感じていた。インプロは常に壊しつづけなくてはならない。「こうすればこうなる」という経験則で何度も同じことを繰り返しているうちに固定化し、次第にインプロがインプロでなくなってしまうのだ。僕とて一生学び続けなければならない身なので、崩して再構成するために外からの刺激と新しい挑戦が必要なのである。というわけで、本職のインプロバイザーでもある野村くんとコンビで進めることを提案し、無理言って聞いてもらった、という次第。

 

その結果、僕も野村君のファシリテーションが新鮮だったこともあって、いつものワークショップの倍以上は楽しい時間を過ごさせていただいた。コンビの相乗効果ってこういうことか。僕に限らず、教員はいつもピンだ。だからステージを他者とのコンビネーションで作っていくことは経験がない。野村君はオシエルズでもツッコミ担当というのもあるが、僕のボケ(・・・じゃなくてすべったところ)を拾うのがとても上手で、相方がいることがこんなに有り難いことだとは始めて知った。そして野村くんが参加者が刻々と変化していく様子をよく見ながら即時的にメニューの調整を計っているのはとても勉強になった。

 

 こういった予定調和ではないワークショップは、常に失敗ととなりあわせだし、ファシリテーションの腕によって同じメニューでも激変する。だからこそ毎回が真剣勝負だ。日々精進していきたいものである。そして彼ら芸人と接する度に思うのだが、しなやかさが羨ましい。僕も芸人計画を進めなくてはならない。