本棚の整理をしていて「UTOPIA 最後の世界大戦」の復刻版をみつけた。オリジナルは1958年で、これは2011年に復刻された際に購入したもの。
藤子不二雄の単行本デビュー作品として知られ、多くの逸話を持つ「UTOPIA 最後の世界大戦」。原本は世界に10数冊しか現存せず、オークションに出品されれば数百万はくだらない。この伝説といえる単行本が、小学館クリエイティブによって完全復刻された。
パラパラと読んでいると、ハックスリーの「素晴らしい新世界」に着想を得ていることはよくわかるけれども、半世紀前の少年が考えたSFとは思えない話で驚いた。上のコマの「ところが、人間自身はほとんど進化しなかったんだ!」とか、半世紀経った今読んでみると、知りたくはないがまっとうな事実であることが辛い。
ちなみにこの漫画、藤子不二雄Aの「まんが道」の中で若き日の二人が情熱を燃やしながら描く作中漫画としても知られている。当時二人は18歳か・・・。
(「まんが道」2巻P221より)
彼らの若き日のエピソードを読む度に、「夢中になることの意味」を改めて思い出し、中年になってしまった自分は気が引き締まるのである。