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みえないものを、みる視点。

「チーム分け」にはどんな工夫してますか?

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考え方のトレーニングとして,「あたりまえのことを切り替える方法」にはどんなものがあるかを考えていた.ふと頭に浮かんだのが「チーム分け」のことである.学習者を小グループに分ける「組み分け」は,教員にとっては日常的なタスクだ.普通にくじ引きしたり,近くの人でまとめたりと,みんな自分なりの方法でやっている.人力で分けるのは面倒だし不公平になることもあるので,Webサービスを使う人も居るだろう.

でも,教育者側が指示して分けるということは学習者にとっては逆らいようのない権力であるし,コンピュータで機械的に分けられるのも気持ちの良いものではない.そういった結果を従順に受け入れることは結果的に「やらされてる感」に繋がっていく.例えば,自分たちの意思で集まった場合と強制的に分けられた場合は,正直グループに対する帰属意識や責任感も全く違うことになるはずだろう.なので僕自身はチーム分けの際にほんの少しでも「自分で選んだ」という能動性を持たせられないか,ということをよく考えている.

それに加えて,ちょっと変わったやり方にするなどして,組み分けに頭を絞るのは教員やファシリテータにとって結構いい頭のトレーニングになるのかもな・・・と思ったので以下,僕がこれまでやったことをいくつか書いてみる.

 

1)トランプを選ぶ

数字の側を伏せて選ぶ.普通のクジと同じ「運」になってしまうのだけど,どのカードを選ぶかは自分で選ぶことが出来るところにはちょっとだけ自分の意思が入る.数字とマークそれぞれ扱えるので,いろんなケースに使えるので汎用性が高い.そういえば以前,トランプのカードをIllustratorで模写するという実習の際に「引いたカードを責任もって模写する」というミッションにしたことがある.カードの中にはスペードのAとか複雑なものも入っているので,全員同じものをやるよりは盛りあがった.

 

2)レゴのパーツを選ぶ

人数分のレゴのパーツを用意.事前に適当なグループに分かれるように揃えておく.学習者にはパーツを見た上で「自分で」選ばせる.形に着目するか色に着目するかでだいぶ傾向がわかれる.メンバーが集まったら,パーツを合体させる儀式(ほんのちょっとの体験だが,けっこう大事)

 

3)ドリンクを選ぶ

ずっと昔,新入生オリエンテーションの際に実施した.入り口で全員に何十種類かの缶ジュースを選ぶ.何も知らない新入生たちは,これがまたいい感じに全員飲みながら机の上に目立つように置いてくれていて,さあ組み分け,という時に「実はね」と種明かしすると,ただのドリンクが一瞬で別の意味を持つ記号に変化して面白かった.だれも知らない状態で例えばドクターペッパーを選んだ仲間,というのはなんだか運命のような仲間になれそうだ.

 

4)パズルをあわせる

3の次の年の新入生オリエンテーションだったかな.メンバーがちょっとづつ集まっていく過程をもっと「里見八犬伝」みたいな感じで楽しめないか,というコンセプトでやった.120人全員がひとつのピースを事前に渡して,わらわらと周囲と試行錯誤しながらながら手持ちのピースをあわせて行く.そして10のピースが合体して一枚の絵になる.絵にはそれぞれメンターの先生の顔が描かれており,チームによって召喚される.そうして自然に12の班が完成する

 

5) チャートを選ぶ

ワークショップで受付する際に,チャートが書かれた用紙を渡す.

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テーブル事にA〜Dの属性の人が,なるべく均等に配分されるように座席を作っておき誘導するという仕掛け.

 

 とりあえずいくつか事例を示してみた.どこまで時間とれるかは状況によるが,参加者側としてはだれと組むか.それは誰によって決められたことなのかは大きくモチベーションが左右されるものなので,適当に考えないで工夫してみるのは意味のあることだと思う.

 

あなたは,「チーム分け」に,どんな工夫してますか?