帰省した時に実家近くの温泉に行ってみた.旅館併設のキレイなところではなく,いちばん鄙びた地元民向けの「共同湯」を目指す.写真のとおり,ここは昭和の香りがそのまま今でも残っている.
共同湯の内部は木造だ.こういう本気の昭和感は都会ではもうなかなか味わうことができなくなってしまった.GRのレトロフィルターでさらにノスタルジックさを演出してみる.
温泉の湯船はこんな感じ.家族風呂ともそんな変わらないようなサイズだが,強烈な硫黄臭は,温泉に来たという高揚感を持たせてくれる.
まだ人が少ない時間だったこともあり,源泉が薄まっておらずもの凄く熱かった.水風呂と熱い湯に交互に何回か入るとトリップするというのを試して見たくて,トライしてみるが・・・イマイチわからなかった.
しかし実に良い湯だった.母が「小さいとき,手にしもやけが出来ると父にここに連れてきてもらった.ここの湯につかるとすぐ治ったんだよね」と言ってたが,確かに肌がすべすべになった(ような気がする).そういえばここは西郷さん愛好の湯でもあり,「全国名湯百選」に選ばれているという,評価の高い温泉でもあったのだ.
温泉はお風呂に入って身体洗ったり温まったりするだけじゃなくて,上がった後に涼む体験がまた良い.この温泉街がいいのは畳の上で扇風機で涼みながらいろんな人に会って会話できるところだ.ジャーニーマップ的に言えば,利用客のイン・サービスの中で2回目の感情の盛り上がりが存在するというか.
決して人為的に手間暇かけて成されているわけじゃないけど,コミュニティに重要な「縁側」的な機能がごく自然に存在しているところが素晴らしいと思う.
薩摩川内市のボンネットバスが狭い街道を走る.白黒にすると今月の写真だとは思えなくなるね.
ボロボロに朽ち果てた電車が展示されていた.温泉ついでに写真撮りに来たのだけどなかなか撮れない写真が撮れて満足だ.