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みえないものを、みる視点。

トークイベント:「デザイン思考“以後”と、クリエイティビティの行方」開催のお知らせ

周辺の方々の声を受けて、トークイベントを企画してみました。時代は刻々と変わる中でデザインのありかたも少しづつ変わっていきます。そんな中で見落とされがちなことや今うっすらと立ち上がりつつあるようなことなど、まだ体系化されていないようなことを議論したいという考えです。すぐお仕事に役立つようなお話しではないですが、思索的なテーマに関心をお持ちのみなさま、是非ご参加下さい。

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21世紀に入って広まった「デザイン思考」という言葉は、社会の多くの領域に影響をあたえました。これまでデザインがあまり重視されてこなかった領域や組織の人々にも、創造的な問題解決の可能性を広げた功績は大きいといえるでしょう。

 しかしながら、ふりかえってみて日本の社会において期待されたような進展があったかと問われれば疑問が残ります。たしかに、近年多数のデザイン関連書籍が出版され、失敗の少ないデザインの方法を試すことは容易になりました。その一方で、デザインという行為は形式知のみで構成されているわけではなく、視野を拡げて俯瞰してみると、あちこちに「語られにくい問い」や「見落とされている視点」が存在しているように思われます。

 そこで、本トークイベントを企画しました。デザインという概念そのものが、時代と共に流れる水のようなダイナミズムを携えており、絶え間なく問い続けることが重要です。デザイン思考という言葉から新鮮さが消えた現在のタイミングだからこそ、これまで言語化されてきたことを越えた立場で、改めて人々の創造性に対するクリティカルな議論ができるはずです。それらの論点や課題を洗い出すことで、今後のあるべき社会を描いていくための手がかりも見えてくるのではないでしょうか。

 ここでは、デザイン理論にも詳しく、かつ新しいデザイン領域を拓くことに挑まれてこられた第一線の実務者の方々をお招きし、それぞれの立場から、狭義のデザイン思考では語られることが少なかった視点から話題を提供して頂きます。その話題をもとに、次の段階に進むためのステップとして参加者の皆様を交えて深く議論出来ればと思います。また、ただ聴くだけではなく議論に参加しやすくするためにiPadを用いたビジュアルミーティングの方法を取り入れ、当日の議論に反映していく予定です。このような思索的なテーマに御関心をお持ちの皆様、ふるってご参加下さい。

 

 

■日時

2017年2月24日

■会場

インターナショナルリエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインHUB内)

 

■プログラム

 

1)はじめに

  開催主旨:上平崇仁

  ビジュアルミーティングについて:富田誠

 

2)話題提供(トーク15分+質疑5分)

・佐宗邦威(株式会社ビオトープ 代表取締役):有機的変化のデザイン(仮)

・武山政直(慶應義塾大学経済学部 教授):「欧州の政策デザインにみるアプローチの変化」(仮)

・柴田厳朗(GKデザインリサーチイニシアティブ 取締役)「野生・その他・異邦の鳥」

 

3)参加者のみなさまとのオープンディスカッション (軽食しながら)

 

 

■登壇者紹介

佐宗邦威 株式会社ビオトープ 代表取締役

東京大学法学部卒。イリノイ工科大学デザイン学科(Master of Design Methods)修士課程修了。P&Gにて、ファブリーズ、レノアなどのヒット商品のマーケティングを手がけた後、ジレットのブランドマネージャーを務めた。ヒューマンバリュー社を経て、ソニー(株)クリエイティブセンター全社の新規事業創出プログラム(Sony Seed Acceleration Program)の立ち上げなどに携わった後、独立。B to C消費財のブランドデザインや、ハイテクR&Dのコンセプトデザインやサービスデザインプロジェクトを得意としている。「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」著者。京都造形芸術大学創造学習センター客員教授

 

武山政直 慶應義塾大学経済学部教授・コンサルタント

慶應義塾大学経済学部卒業後、同大学院経済学研究科に進学。1992 年カリフォルニア大学サンタバーバラ校大学院に留学後Ph.D.取得。2003年より慶應義塾大学経済学部准教授に就任。2008年より同教授。都市メディア論、マーケティング論を背景に、ICTを活用したサービスデザインの研究に着手。サービスロジックに基づく事業イノベーションをテーマに、企業と顧客の価値共創プラットフォームの構築など、産学共同プロジェクトを多数推進。同時に企業研修やコンサルティングにも従事。2013年、サービスデザインの国際機関SDNの日本支部設立、共同代表に就任。

 

柴田厳朗 GKデザインリサーチイニシアティブ 取締役

1986年にGKインダストリアルデザイン研究所に入社後、博覧会展示企画、地域開発調査、商品開発等に携わったのち、2000年から2007年までGKデザインヨーロッパ(アムステルダム)にて、欧州人デザイナーとの共創型デザインプロジェクトのマネジメントやデザイン調査を担当。現在はデザインリサーチ、プロダクトイノベーションブランディング領域を中心にプロジェクトを推進。一橋大学社会学部卒業、イリノイ工科大学 Institute of DesignにてMaster of Design Methods修了。共訳著に「現代デザイン事典 -変容をつづけるデザインの諸相-」(鹿島出版会)。

 

■ビジュアルミーティング ファシリテーター

富田誠 東海大教養学部専任講師

武蔵野美術大学 基礎デザイン学科卒業、早稲田大学大学院 国際情報通信研究科修了。IT&デザイン系のスタートアップ創業、早稲田大学政治学研究科 助手などを経て、現在は、東海大学教養学部芸術学科専任講師、早稲田大学ジャーナリズムコース非常勤講師。専門は情報デザイン、特に情報の視覚化とデザインプロセス。

 

■企画 / モデレーター

上平崇仁 専修大学ネットワーク情報学部教授

鹿児島県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修了後、グラフィックデザイナー、東京工芸大学芸術学部助手を経て、2004年専修大学赴任。2012年より現職。情報デザインの教育・研究を行う。近年は社会性への視点を強め、デザイナーだけでは手に負えない複雑な問題を人々の相互作用の中で創造的に解決していくための協働デザイン(CoDesign)の仕組みづくりについて取り組んでいる。2015-16にはコペンハーゲンIT大学インタラクションデザインリサーチグループの客員研究員として、北欧流参加型デザインの現場で調査研究を実施。人間中心設計専門家。

 

■お申し込み

peatixからチケットを購入できます。

満席になりました。(1/30 12:10追記)

peatix.com

 

■主催

専修大学上平研究室

 

■協力

公益財団法人日本デザイン振興会、株式会社ACTANT、株式会社Biotope、東海大学専修大学