読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

遠い遠い出口

オブザベーション danish culture

f:id:peru:20160224041814j:plain

中央駅近くに行った際に,受刑者たちによるカフェ,CafeExitを再び訪問してみた.

昨年の秋に一回訪問したものの,ちゃんと話聞けなかったことが心残りだったのだ.

kmhr.hatenablog.com

 

f:id:peru:20160224041829j:plain

ここはカフェでありながらコーヒー無料だ.見るからにカタギではない感じの,コワモテの二人がなにやら料理している.受刑者の本物の雰囲気にビビリながらも話を聞けないか交渉してみた.

f:id:peru:20160224041841j:plain

マイケルというお兄さんがいろいろ話を聞かせてくれた.

 

ここは受刑者と対話できる場である・・・とは言っても実際にはなかなか一般の人は来ないらしく,社会から取り残されてしまった受刑者同士の交流の場として利用されているそうだ.彼は○○(伏せておく)の犯罪で半年牢屋に入っていて,そのあと半年の期限でペンション(?)にいれられているという.この間は日本で言う保護観察みたいなもので自由に外出はできるが,ここで再犯すると再び牢屋に戻ることになるらしい.仕事があるわけでもないのでこうやって気晴らしに来ている,そうだ.

 

デンマークの受刑者は暇なので刑務所でもペンションでもみんな絵を描くらしい.スマホに撮りためている自分で描いた絵の写真(見るからに凶悪な内面世界と葛藤しているモチーフばかり)をたくさん見せてくれた.絵を描くと言うことには,表現することで自分と向き合うセラピーの意味もあるからこそ推奨されているのだと思う.そして何かに打ち込めることがあるということは精神状態が不安定な時には大事なことだ.こんな風にアートを活用しているとは思わなかった.

 

ここ(CafeExit)で何か面白い経験したことがあったら教えてくれないか,と聞いたらしばらく考えたあと,ぽつりと「無いな」と寂しそうに答えてくれた.

 

こういった受刑者の社会復帰を支援する団体や施設があるということは評価できることだが,それでも一般社会とはかなり距離が遠いようだ.このカフェは「出口」という名前で,すぐ近くは繁華街の喧噪だというのにとても孤独な空間に見えてきた.

 

受刑者と対話できるカフェ.というコンセプトを最初に聞いた時には驚いたものだが,さすがにデンマークでも一部の支援者以外が接点をもっているわけではない.そのあたりの感覚をちゃんと一次情報で確かめることができたのは収穫だった.