デンマークで広く知られている「遊べる知育家具(Tumbling Funiture)」のBobles社で行われたTumbling Timeという体験会に参加してきた.Bobles社と北欧研究会とのコラボ企画で,下の子と妻が誘われたイベントでありながら僕もちゃっかり付いていくのである.
Boblesというプロダクトについては,Copenlifeのインタビューに詳しい.
デンマーク発祥「遊べる知育家具」を開発する会社「bobles(ボブルス)」 | コペンライフ−Copenlife
僕は体験会そのものよりも,ボブルスのオフィスに潜入できることが嬉しい.ITUから(頑張れば)歩けるくらいの距離にあるとは知らなかった.
ストライプのカラーリングはやっぱり厳格に運用されていて,グラフィックデザインの観点からも興味深い.それぞれを見れば決して鮮やかではないけど,組み合わせることで適度に空間をポップに彩る絶妙な色使いだ.
ミーティングルーム.自社製品の素晴らしい活用!
友人を自宅に招いた時、これらの家具を片付けるのではなく、部屋のインテリアとして自然とおいておける製品であってほしいという思いから、どんな部屋にも馴染む色使いやデザインを心がけています。
(インタビューより)
さて,bobles社の製品は知育的なエッセンスが埋め込まれていて,年齢に応じていろんな遊び方がある,というのが売りである.
私は育児休暇中、コペンハーゲン市内にある小さなアパートで、息子の育児をしていたのですが、アパート内で子供が動き回ると凄く音が響くし、安全面で神経 を使わなければならない事がとても多くありました。家の中で子供がおとなしくしていられる様に、おもちゃを与えて遊ばせている事が多かったので、「想像力」や「運動能力」を高めてくれる製品を子供に与えたいと探していましたが、両方が備わった製品は当時あまり市販では販売されていませんでした。
(インタビューより)
集合住宅で子育てしたことある経験のある身にとっては.実にあるあるすぎる.走り回ると足音が響き,かといっておとなしくさせておくと運動能力は身につかない,というのは世界中同じ悩みなのだ.
たった一つの製品から生み出される各種の遊びの体験が,アクションの種類と年代別のマトリックスで整理されていて面白い.
体験会では家具を使ったいろんな遊び方を紹介してくれたが,これは驚いた.ワニをふたつ使って竹馬!そこまでできるんだ.
これを見ながらむくむくと疑問が湧いてきた.はたして,こういった遊び方は.デザイナーが考えているのか,それとも子供が考えているのか?
創業者のBoletteに聞いてみたところ,Boletteの答えは,「もちろん事前に予測はするけど,遊び方は開かれているものなので,子供たち自身が常にそれ以上の遊び方を生み出していく」ということだった.シンプルだからこそ,発想の余地があり,それをアフォードする家具なのだと.
もう一つ,デザイナーはどうやって(製品の)アイデアを生み出しているのか.という質問には,facebook等のメディアを使ってこういったTumbling Timeのイベントを開催し,親子をここに呼んで一緒に遊ばせる,そしてその状況を観察する,ということを定期的に行っているよう.やっぱり生身の利用者の遊びの様子をインプットとして活用しているようだ.
遊びは道具から生み出だされるし,同時に遊びから道具も生み出される.そんなアイデアの相互作用の仕組みを作っていることが印象に残った.