Kamihira_log at 10636

みえないものを、みる視点。

デンマークにおける公共スペースのデザインプロセスのモデルプログラムの整備がすごい

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Modelprogram for fremtidens velfærdsinstitutioner

ネットで調べものをしているときにこの取り組みを知った.デンマークにおける公共スペースのデザインプロセスのモデルプログラムがオンラインで整備されている.どこがイニシアチブをとっているかは不明だが,文化庁か.不動産関連の協会らしい.

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さまざまなステークホルダーが参画する公共スペースのプロジェクトを始める際に,どんなプロセスで行われていくのかの知見をあつめてだれでもつかえるようにデザインツールやゲームとして整備しているもの.

 

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保育施設をつくるためのゲームやマニュアル.

施設を多角的に捉えて自分たちの目指す組織について議論を進めていくことができる.

Dialogværktøjet Rum og Rammer - Modelprogram for fremtidens velfærrdsinstitutioner

 

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Workshop forberedelsespladser - Modelprogram for fremtidens velfærrdsinstitutioner

学校のためのツール.エクササイズ2より.教師が行うであろう多様なアクティビティを考慮した上で物理的な場所や導線を新しく検討する.

 

 

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図書館のためのデザイン思考ツールキット (2014).こんなの出ていたんだ.パトロンセンタードデザイン(なんだそりゃ!)こういったツールキット開発はIDEOのお家芸だが,彼らだけはなくて,オーフスの図書館とのコラボレーションで生みだされたと説明されている.

Design Thinking for Libraries

 

デンマーク文化庁がつくっている「図書館づくりのためのモデルプログラム」のサイトの中身も凄い.僕がこちらの図書館の利用を通してがんばって自分で考えたことがここで大体説明されてしまっていることを知るw

Modelprogram for folkebiblioteker

 

なぜデンマークの公共スペースはどこの地方に行ってもそれなりに特色があるのかには,こうやってこれまでの先進的な取り組みの事例や,なにがポイントになるのかの焦点を明確にする対話の技術を活かして全体的に底上げしているのも要因のひとつなのだろう.人口550万の国でも,(特に知的資産が少ない地方のために)ここまでデザインを支援する方法を整備しているということは注目すべきことである.