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みえないものを、みる視点。

CIID IDP 2015の卒展を見に行く

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12月11日(金).インタラクションデザインに関する専門教育の雄,CIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)の卒展を見に行く.オープニングパーティということもあり,ものすごい人!

CIIDはコンサルとリサーチ,インキュベーションに加えて教育部門を持っており,世界中から優秀な学生をあつめた独自の教育部門を持っている.1月に開始で12月に修了,という1年間の濃密なカリキュラムでその修了制作展である.

修了者の多くはプロ経験者ということもあり,作品はどれもよくまとまっている.時代を反映してかなりソーシャルよりのテーマが増えている印象.

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ダウン症のための言語学ツールダウン症の妹さんとの距離の近さを活かして.かなりプロトタイピングしてつくり上げている.いいデザインパートナーだね.

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インドからの留学生.小規模農家の土を採集して診断してくれるサービス.もうちょっと自然なインタラクションにはならないのか,といろいろ突っ込んでみたら,一通り議論を経由してここに辿り着いたようだ.

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カーシェアリングサービスの提案.このへんはすでにいろんな国で取り組まれていて,既存のものとどのくらいちがうのかが,ちょっとわからなくて残念.

 

見終わってみて,数ヶ月もない日数での個人活動では,サービスデザインの提案といっても本当に青写真(ブループリント)になってしまうため,だいぶ幅は限られてくるんだな,という気がした.わりと想定の範囲内の題材と解決案になってしまうのは,みんな慣れない外国できることをやらざるを得ないわけで.期間限定の留学であるという制約もあるんだろうけども.

 

その意味じゃ,王立デザインスコーレやコリングデザインスコーレがロングタームな中で成果をだしていてかつストーリーの説得力もあるのは,あれは提案ではなくてアクティビティをプレゼンしているからなのだし,時間がたっぷりある大学生だからこそできることなのだろう.

 

イデアの段階に価値がないと言うつもりは全く無いが,現代のサービスはプレゼンを聞いただけでは見る方も適切な判断できなくなっているのも事実.(もしTwitterが普及する以前に「つぶやきを共有します」というアイデアを提案したとして,正しく評価できた人はいないだろう)今はデザイン教育にもアクティビティを組み込むことの重要性が増しているな,と思った.

 

exhibition.ciid.dk