12月8日(火),この日はベルリンにある某社を訪問する予定だったが諸事情により延期.ということで代わりに,ベルリンで元気があるらしいオープンイノベーションスペースを訪問.わりと市街地に近いところにあるんだが,うむ・・・この渾沌とした雰囲気は実にベルリンらしいw
内部はわりと普通にキレイだった.このスペースは,ottobockという義肢などをつくっている企業がスポンサーとなり,企業,研究機関,スタートアップ,メイカーと提携しながら新しいものづくりに挑戦しようという場所らしい.
人体を拡張していくような展示が並んでいる.ottobockにとっても,自社のサービスを拡げていく上で,こういったコミュニティを持つことは結構大きな意味があるようだ.
すぐとなりの近代的な建物に Human Mobility Service Centerという研究機関があった.そして同じ建物の中にFabLab Berlinが入っている.
写真は中央の交流スペース.これ以外に,ざっとみただけで,電気テキスタイルラボ.コンポジットラボ,レーザーラボ,木工ラボ,重金属ラボがそれぞれ別の部屋として設置されており,とても充実している.
それ以上に,人々が出会いやすいような流れをつくっていることに感心した.右にはスポンサーである研究所が,左にはオープンイノベーションスペースのギャラリーが,奥にはスタートアップのオフィスが,それぞれフレキシブルに接続しており,人々が随時顔を合わせることができるようになっている.部外者でもまったく警戒されず入ってうろうろしても特に問題無かった.みんな熱心にディスカッションしており,ここにはとてもよいコミュニティができているようだ,
奥にあるシェアオフィスではスタートアップの若者達が頑張っていた.Sound Brenner
というミュージシャン向けのウェアラブルデバイスを開発しているそうだ.たまたま建物の入り口で会ったので無理矢理話しを聞かせてもらった.手前のCEOは池田亮司のファンなんだそうだ.ドイツでも有名なんだね.それより彼らのつくっているプロダクトは日本語でも紹介されていてびっくり.成功してほしいところ.
というわけでなかなか楽しい訪問だった.
オープンイノベーションスペースというのは,今日本でもいろんな企業が挑戦しているところだと思うが,それぞれのコミュニティがもっている文化や専門知識をどのようなコンテクストで組み合わせるかという母体含めた全体の設計がまず重要なのであって.集まるスペースだけを後つけのようにつくったところで,新しい異種交配が起こる可能性はあまり高くなさそうである.
このスペースは2年後には再開発でもっと大きなビルとして生まれ変わるようである.