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みえないものを、みる視点。

オールボー大学コペンハーゲン校でサービスデザインの発表会を見る:Friday bar / Service Design exhibition

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ちょっと前にことになるが、6月26 日(金)は、自分の勤務先全体でのサマーパーティ・・・のはずだったのだけど、あまり盛りあがっておらず10分で切り上げて、近くにあるオールボー大学のコペンハーゲン校まで行ってきた。

 

ここは、サービスデザインに関する先進的な教育をしているという噂で以前から興味持っていたのだが、なかなか機会がないといくこともない。この日、サービスシステムデザイン専攻の発表会があるという情報を聞きつけて、自転車を20分ほど漕いで到着。

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たどり着いた会場は、日本と同じように、教室にボード建ててブースをつくる形式で親近感が湧く。真ん中のテーブルにはFriday berということで、ビールやワイン。

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高校生たちのソーシャルメディアのデータを流用して市街地整備につなげるというサービス。地図の上でシナリオを演じてくれた。友人のEsbenはここのチームメンバーらしいが、彼は日本でのインターンシップに向けて出発した後だそうで、残念ながら不在。

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プロトタイプもコンテクストがイメージできるように結構作り込んでいる。アナログにレーザカッターと紙で再現を目指すのはちょっと珍しいと思った。

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エコを意識した買い物選択ができるようなサービス提案を考えたチーム。

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妊婦さん向けのサービスを考えたチーム。

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コレクティブハウスに住む高齢者向けのサービスを考えたチーム。「Forget me not」というタイトルで、自分の中と社会の中、二重の意味で消えていく個人の記憶を扱うという難しそうなテーマだが、ここの調査はものすごく丁寧だった。報告書もぶ厚い。

 

全般的に院生のグループワークだけあって、デザインプロセスはかなりきちっと丁寧に行っており、調査も検証もひとつひとつがよくまとまっていた。パネルのグラフィックスもとてもキレイ。カリキュラムや指導もいいのだろうな。半期なのに、素晴らしい密度。

 

そして興味深く感じたのが、やっぱり文化的な特性で、例えば高校生が自分の行動ログを自治体に渡すのっては普通に考えて嫌がるだろう、ってのが日本人の感覚だが、彼らの話によると、街がよくなるのであれば、と高校生でも喜んで協力するらしい。ふむ。このクラスに留学している中国人の学生と話したが、彼女はメンバーとそのへんの普通の感覚が違って違って結構困ったらしい。もうひとつ、サービスを使う側はいいとして、これでどうやって収益あげるのかのビジネス視点弱いね、ってつっこんだとしても、「自治体がやります」で納得させられてしまう、ということ。さすが税率7割以上の国、デンマーク

発表を聞いた後に、担当教員のAmeriaがカリキュラムの位置づけやねらいなどを丁寧に解説してくれた。彼女はイタリア人で海外からの留学生も多いので、ここの授業は英語で行われているそう。新学期始まったら授業に遊びに行ってみたい。