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みえないものを、みる視点。

かわさきコンフィズリー2016発表会のお知らせ

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2016年度インタラクションデザイン基礎演習の応用課題(8週)「かわさきコンフィズリー プロジェクト」の発表会を行います。

 

本年度はオリジナルなギモーヴ(フランス風マシュマロ)を題材に、地域性をもった商品企画およびそのプロモーションウェブサイトを制作するという課題を行いました。演習を設計する立場としては、基礎的な演習だからこそ、個別の要素技術を習得するよりも、目に見えにくい因果関係に学生達が気付いていく過程には気を配ったつもりです。学生達は直売所や地域でフィールドワークを行い、そしてギモーヴがどんな材料からどのようにつくられるかを間近に見て、自分の舌で味わい、開発したパティシエさんの想いを理解した上でデザインに取り組んでいます。

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短い時間ですが、外部の方にも公開しますので、もし見学をご希望される方がいらっしゃいましたら、是非キャンパスまでお越し下さい。可能でしたら事前にご連絡を頂けますと対応しやすいです。

 

在学生、OBOGの参加は大歓迎です。後輩達の苦闘に叱咤激励をもらえるとありがたいです。

 

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日時=7月18日(月・祝)16:45~18:30

場所=専修大学生田キャンパス1号館3,4F(DS1,DS2,PS,WS)

発表者=ネットワーク情報学部2年次インタラクションデザイン基礎演習履修者130名

 4クラス計33チーム

演習担当教員=上平崇仁、栗芝正臣、星野好晃、満島弘

協力=株式会社ブールミッシュ / ブールミッシュ製菓アカデミー

   クラフトビア醸造所ムーンライト

ロゴデザイン=満島弘(SHELL COLLECTING

 

※18:30からささやかなパーティを予定しています。

 

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以下、演習教材より転載

 

■ 課題背景

 

日本人の風習として、旅から戻った時や挨拶に行く時など、さまざまなタイミングで、お土産、手土産としての「贈り物(ギフト)」が行われます。そしてその際に、ちょっと上質なお菓子をチョイスすることはとても多いと言えます。

 

ところが,東京土産,横浜土産のお菓子はたくさん作られていても,不思議なことに「川崎」にまつわるお菓子はほとんどありません。川崎市はもともと工業が盛んな地域で、近隣にあるような観光都市ではなかったことはその一因でしょう。ですが,地域発の商品は、観光地そのものが持つ魅力とは本来関係なく、アイデアと腕次第で生み出せるはずです。

 

特定の地域にまつわるお菓子とは、いったいどんな要素や関わり合いの中で成り立っているのでしょうか。我々はいかに贈る側、贈られる側、それぞれの体験の中に「ものがたり」のきっかけやひろがりを埋め込むことができるでしょうか。この課題ではここに焦点を当て「かわさきコンフィズリープロジェクト」を実施してみたいと思います。

 

■ かわさきコンフィズリーVol.1 :ギモーヴ

ブールミッシュという日本における本格的フランス菓子の草分け的存在の洋菓子メーカーがあります。代表の吉田菊次郎さんは日本を代表するパティシエ として広く知られています。この洋菓子メーカーと専修大学IxD演習のコラボ企画として、新しい地域限定ブランドの一つとして、「かわさきコンフィズリー」というプロジェクトを立ち上げました。コンフィズリーとはフランス語で「砂糖菓子」の意味です。

 

今回はかわさきコンフィズリー第一弾として、ブールミッシュ製菓アカデミーのパティシエである村松さんが,新商品「ビア・ギモーヴ+ブルーベリー・ギモーヴ」の二つの味を開発して下さいました.ギモーヴはフランス風マシュマロで不思議な食感が楽しめるお菓子です.

 

ビア・ギモーヴは,隠し味に向ヶ丘遊園のビール醸造所ムーンライトのクラフトビールを使用しています.またブルーベリー・ギモーヴは地元産のブルーベリーを使用して作られます.

 

これは,川崎市に関係のある材料を利用し、地域のイメージアップを目指した川崎市内の特定の場所でしか買えない限定商品です。最近は高品質のデザートはあちこちで買える時代ですので、砂糖菓子の「味」だけではなかなか選ばれません。人々にとって思い入れのある体験にしていくために、ある特定の文脈によって、美味しさが倍増して感じられる、というような、もうひと味違う付加価値が欲しいところです。

 

課題1. ギモーヴのパッケージ制作(グループ課題)

全国いつでもどこでも買える商品ではなく、限定された条件ならではの魅力をよく分析した上で、単なる容れ物としての商品パッケージではなく、このギモーヴを介して、人々が誰かと共有したくなるような特別な"体験"が埋め込まれたパッケージ(ネーミング、箱の仕掛け、売り方、関連する情報、インタラクションを含む)のデザインを制作してください。


課題2. プロモーションWeb制作(個人課題)

グループで企画したギモーヴの魅力を顧客へ届けるためのプロモーション用のwebサイトを制作してください。 どのようなタイミングでアクセスするのか、タッチポイントを考慮してデザインすること。また、マルチデバイスに対応すること。

 

■ この課題のねらい

  1. 顧客の体験を起点にした小ロット製品の企画およびデザインすることを通して,
    情報過多社会における豊かな価値のあり方について考察し,自分なりの解釈を深めること.
  2. 伝達型の授業で教えてもらう知識ではなく,自らの主体的な行動によって社会の中での魅力的な商品のあり方,情報の伝え方を学ぶこと.
  3. 情報のないゼロの段階から,企画立案し具体化していくために必要なプロセスを
    理解すること.
  4. チームによる情報収集,アイデア発想,における共創や役割分担を通した
    コミュニケーションの方法を体得すること.
  5. 体験のデザイン,グラフィックデザイン,ウェブサイト制作に関する
    実践的なスキルを体得すること.