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みえないものを、みる視点。

デザインリサーチ

【前編】ノンデザイナーは、いかにデザインに関わっていくか?

ちょっと間が開いたが、ブログ読者からのお問い合わせに答えてみよう、の第2弾。質問者の方は大学では文系の学問を学んでいたそうで、社会人になってしばらく経ってからデザインを学びたいと考えておられるそう。そこで頂いた質問は、「いわゆる"デザイン"…

遠慮なんかしてちゃだめだ

僕がデンマークに来た1年前から気になっていたクリエイターに、ルネ・フィヨルドがいる。うちの近所にあるOrdrup Schoolや、LEGO PMD(レゴ本社)、マインドラボ(デンマーク政府のイノベーションラボ)などの斬新な空間をデザインした人である。 それと同時…

市民に開かれたアートスクールの制作環境:GODSBANEN

2月19日。デンマークで二番目に大きな街、オーフスを訪問した際に、GODSBANENに連れて行ってもらった。ここはオーフス市営の「カルチュラルプロダクションセンター」とのことで、クリエイティブ関連の場所がたくさん設置されている。GODSBANENは「アートとビ…

ラーメン屋にて、Placeの問題を見出す

先日のこと、リビングラボのことを議論している最中にふと思い立ったので、夕方に話題の期間限定ラーメン店Hrímnir Ramenに行ってみた。コペンハーゲンでは、ラーメンブームが到達して今年になってから新規開店が相次いでいる。このラーメン屋はその中でも特…

廃棄物専門スーパーWeFoodでの顧客体験を考えた話

先週のこと、世界初の廃棄物専門スーパーマーケットwefoodが大学の近くにオープンした。いわゆる賞味期限間近のものを格安で仕入れるディスカウントストアとは違って、「廃棄物」扱いになった品物を提携先から寄付してもらって売る、という世界初の試みらし…

プロトタイプをテストする

エグモントホイスコーレンの学生さんたちに協力してもらって,現在制作中のツールキットのテストしてみた.エグモントは障害者のみなさんと健常者のみなさんが24時間生活しており,リアルな生活の状況から新しい発見をする,ことを可能にする場としてかなり…

どうやって街の情報収集をするか?

コペンハーゲンは小さな街なので,「地球の歩き方」レベルの観光目線で街を歩くと1週間も滞在すると見るところが無くなってしまう.そんなわけで日本からデザインを勉強したい,と期待して視察にやってきても,ミュージアムやショップ以外の面白い場所を探…

官と民の近さ

コペンハーゲン中央駅からすこし南に歩いた地区に,昨年11月にSPACE10というクリエイティブスペースができた.IKEAの作った街の中のラボである. www.space10.io wired.jp 12月の後半にちょっと様子を見に行ってみた.1Fはギャラリーを中心としたスペースに…

STPLN:ソーシャルイノベーションのためのメイカースペースin Malmö

1月18日(月),スウェーデンのMalmoにあるメイカースペース,STPLNを訪問した.ここは市民を巻き込んだリビングラボの活動も行っている.外観はゆるやかなスロープ状の変わった建物だが,倉庫だった建物を再利用しているらしい.malmoは半世紀前は造船など…

デンマークにおける公共スペースのデザインプロセスのモデルプログラムの整備がすごい

Modelprogram for fremtidens velfærdsinstitutioner ネットで調べものをしているときにこの取り組みを知った.デンマークにおける公共スペースのデザインプロセスのモデルプログラムがオンラインで整備されている.どこがイニシアチブをとっているかは不明…

継続的な信頼関係をつくること

1月12日(月)午後.あいかわらず天気悪い日が続くが,Give&Takeのリビングラボのお手伝いでフレゼリクスベアにある老人ホームへ行く.デンマークの老人ホームには初めて訪問したが,立派な建物だ.こういうところまで洗練されているとは思わなかった. お年…

"フォーカスグループなんかしない"

タイガーラボの所長のフェデリコ氏へのアポが取れたので,さっそく会いに行ってきた.彼に「デンマークで一体何を研究しているんだ?それにも興味がある」とメールで言われたので,ここぞとばかりに資料つくってプレゼンしてみた.ここ数日の突貫工事だった…

【後編】デザインのために“問いかけつづける”こと:SanseSlottetデザイン幼稚園訪問記

【前編】から3ヶ月ほど空いてしまったが,デザイン幼稚園の見学記の続き.前編で紹介したように,この幼稚園は大変興味深い取り組みを行っており,まずは引き続き取り組みや施設を紹介したい. 既に紹介した施設の他にもさまざまなアトリエが用意されており…

廃棄物から持続可能なビジネスへ:バイシケリ

コペンハーゲンにあるレンタルサイクルショップ.バイシケリ.一見,ただの自転車屋に見えるが,同時に気鋭の国際開発イニシアチブでもある.デンマークで増え続ける廃棄自転車と,アフリカにおける安価な移動手段のニーズという双方の問題を同時に解決する…

TIGERのラボができたらしい

ロンドンに留学中のT君がコペンハーゲンに来たので,ビアバーに連れて行こうとしていたところ,その近くにあったTIGER(日本ではフライイングコペンハーゲンタイガー)のカフェがいつの間にかラボに変わっているのに気が付いた.ちょっと前までSpilBarという…

ヘルスケアのリビングラボを見学する

12月2日.安岡さんと一緒にオーデンセにある某研究開発施設を訪問.ここは数年後,大型病院の建設が予定されており,最先端の医療機器や医療の取り組みが導入される準備中ということで,活発に開発が行われており,その方法としてリビングラボを活用している…

デンマークと日本のジョイントセミナーを見学する

11月25日は,DTUで開催されたデンマークと日本のジョイントセミナーに参加.いつの間にか一ヶ月経過してしまった(汗),DTUの安岡さんとデザインコンサルテンシーのActantと日立デザイン本部によって企画されたもので,ヘルスケア・ビッグデータ・行動経済学…

図書館の意味を再考した日

英国の大学院に留学中のS先生がコペンハーゲンに来られて,いくつかの図書館を一緒に回る機会が有った.僕自身,普段週に1回ぐらいはどこかの図書館を利用してるが,基本的にオフィスだとだらけがちな午後に執筆に気分転換して集中するための利用なので.あ…

民主的なデザインについて議論する

12月14日(月),デザインスコーレのThomasらが論文を出した,とのことでそれを肴にディスカッションする勉強会に参加してきた.Thomasに加えてEva,Joakchim,そしてmalmo大のPelleと豪華メンバーによって2年間議論と推敲を重ね続けて,ようやくパブリッシ…

街の中の実験室:DE ANDERE MARKET

TRADERSプロジェクトに参加している最中に,Genkの街の中にあるDE ANDERE MARKETを何度か利用した.街の中でデザイン&アートプロジェクトで人々を巻き込む拠点となる場所であり,いろんな実験をするリビングラボである.市がお金をだして,2年間限定で開か…

TRADERS Autumn Schoolに参加してきた

11/9-13にベルギーのGenkという小さな街で開催されたTRADERS Autumn School: on the role of Participatory Art and Design in the reconfiguration of work (in Genk)に参加してきた.とても濃い5日間の経験をしたので簡単にまとめておきたい. TRADERS Pr…

認知症の人々と共につくるデザイン

日本から高齢者のコミュニティの調査に来られた研究者と飲んでいる時に,ふとRitaのことを思い出した.元気にしているかな.彼女はグラフィックデザイナーで,高齢者の認知症の人々を対象に,コミュニケーションデザインは如何なる可能性を持つのか,という…

持ち運べるラボ

10月30日(金)、たまたまクリスチャンボー城の前を通りがかったら、突然、FABLAB RUCのコンテナが置かれているのを発見した。RUCというのはコペンハーゲンの近くにある総合大学のロスキレ大学のことで,そこで運営しているfabLabのようだ。なんとコンテナご…

クリエイティビティを生む多層的な仕組み:エグモントホイスコーレン訪問

10月22日(木)。エグモントホイスコーレンを訪問してきた。ホイスコーレンとはデンマーク独自の教育制度で、年齢制限をクリアすればだれでも学びにいくことができる学校である。比較的短期間でも在籍できるので、デンマークの人々は自分の可能性をさぐるた…

不屈のデザイン運動体の輝きを見た:ウルム造形大学アーカイブより

10月19日(土)、フライブルグからウルムに移動した。この街は世界最大の大聖堂で有名だけれど、今回の旅の最大の目的地はこの古ぼけた校舎。デザインを学んだ者なら知らない人はいないHfG、通称 "ウルム造形大学"の跡地である。ちょっと前まではウルム大学…

人々が議論を楽しめるような仕組みを作ること:スイスで見た二つの展示

バーゼルの歴史博物館に立ち寄った際、「Point de swiss」というとても興味深い展示をやっていた。パブリックスペースとインターネットで収集したデータをベースにした統計のアートプロジェクトである。国民にプレイフルなサーベイ方法で根掘り葉掘りいろん…

全てがデザイン:ヴィトラデザインミュージアムのバウハウス展より

10/15日(木)。ヴィトラデザインミュージアムで開催中のバウハウス展を見学。今回のルートからかなり外れているのでバウハウス資料館への見学は断念したのだけど、偶然にもヴィトラデザインミュージアムに立ち寄った際に展覧会を開催しているとは、なんとい…

タイポグラフィの聖地、チューリヒとバーゼル

グラフィックデザインのセオリーとして50年ほど前にスイスから発信されたタイポグラフィ、通称スイス・スタイルは今日でも偉大な影響があるわけだけども、僕ら外国人としてはなかなかその文化的な背景までは理解することができない。というわけでせっかくヨ…

【LOUISIANA #2】人々の発想をあつめるプラットフォームと、その先。

ちょっと時間経ってしまった。9/16(水)は、ルイジアナプロジェクトの第二回。(第一回の様子) 早朝からルイジアナ美術館近くの、とある学校に向かう。こちらの学校は朝8時から授業があるそうで、午前中ぶち抜きで全部ワークショップに使うという。子ども…

デュアル・ファシリテーションの可能性

うう、忙しくてブログ書く時間もなくなってきた。9月21(月)、22(火)は終日、Give&Takeのコンソーシアムのミーティング。普段なかなか会えないデンマーク・オーストリア・ポルトガルの3カ国のメンバーがみんなメインの仕事休んで王立デザインスコーレの一室…

デザイン・ドリブンによる街づくり:ヘルシンキデザインウィーク

ヘルシンキ出張についての続き。この時期にヘルシンキを訪問したのは、ちょうど世界中からデザイン関係者が集まるヘルシンキデザインウィークが開催されるからである。ヘルシンキはデザインによる市民中心の街づくりを標榜し、Design Driven City Helsinkiと…

【LOUISIANA #1】好奇心は育てるもの:建築&都市デザインのワークショップ

友人のArki_labのみなさんがルイジアナ現代美術館からハウスアーティストとして任命され、プロジェクトを企画しているとのこと。デモクラティックなアプローチを得意とする彼ららしく、地域の具体的な問題解決に取り組みながらも、地元の4つの学校と連携し…

街全体でデザインのエコシステムをつくる:南デンマーク大学とコリング市再訪

24日(月)、コリングにある南デンマーク大学のコリングキャンパスを訪問。ここで准教授をしている友人のRobbが案内してくれた。先日訪問したデザインスクール・コリング(過去記事はこちら)のすぐ隣で、お互いに刺激し合っているらしい。キャンパスは外観…

デザインと人類学の境界領域を探る会議:The Design Anthropological Futures

8月の13日(木)と14日(金)、王立デザインスコーレで国際会議The Design Anthropological Futuresが開催された。いつもお世話になっているThomasたちが主催していることもあり、地元コペンハーゲン開催だしと気軽な気持ちで出かけたが、会場行ってみたら、…

コソボの若者達がデザインで自国を変えていく可能性を見た:王立デザインスクール卒展から

8月5日(木)、近くにあるデンマーク王立デザインスクールの卒展を見に行く。海軍の施設をリノベーションした重厚なキャンパスの一角にあるギャラリー。 しばらく展示しっぱなしのようで、夏休み明け直後ということもあり、ほとんどお客さんもいない。 ここ…

電車が便利になるのは誰だ

電車を、車いすの人でもつかえるようにバリアフリーとしてデザインすることで、ベビーカーにとっても優しくなる。さらに同じ車輪の乗り物である自転車の運搬も行いやすくなる。特定の障害者のために作ったものであっても、結果的に健常者の役にも立っている。

子供と一緒にデザインする方法

ここのところ、デモクラティック(民主的)アプローチのデザイン事例をジャンル問わず集めている。これはNørrebro地区にあるGuldberg skoleの校舎。3階から伸びている滑り台は、学校帰りに階段を駆け下りずとも"ヒュ〜とワープして一気に下校することができ…

"だからこそ、デザインが大事なんだ"

7/15(水)は都市デザインの事務所、Arki_labを訪問。先日知り合った縁でオフィスでまでお邪魔し、研究のためのインタビューさせていただいた。惜しげもなく手の内を教えてくれて、感謝の限りだ。 写真は、彼らが作ったarki_nopolyという子供や市民を巻き込む…

「労働者博物館」における体験のデザイン

先日書いたエントリに関連して、参加型デザインが成立した社会的な背景を調べている。その中で「労働者博物館」なる変わったミュージアムがあることを知ったので、早速訪問してみた。 この博物館は街の中心部の良い場所にあるのだが、エントランスをくぐると…

参加型デザインの原型

先日訪れた国立博物館で興味深い事例を見つけた。1902年からから1964年まで存在したコペンハーゲンのビール醸造所「STJERNEN」(英語で「STAR」の意味)。北欧は古くから社会民主主義の背景のもとで労働運動が盛んだったことは知られているが、ただ権利を叫ぶ…